日本で医療用エレクトロニクスというと、「値は張るが、量が出ないから市場は小さい」というイメージがあるようです。特に素材メーカーにおいては、そのような認識が強いようです。しかし、近年欧米での使い捨てデバイスの普及は目覚ましいものがあり、市場構造が大きく変化して来ています。

 使い捨てデバイスとして日本でも報道されているものにカプセル内視鏡があります(図1)。透明なカプセルの内部に小型の撮像素子と照明用LEDが備えられており、患者が口から飲み込むと、消化器系の内側を撮影しながら移動し、最後に肛門から排出されます。撮影した画像情報は無線で送信されるので、医師はベッドの脇にあるモニターを使ってオンタイムで状況を観察することができます。

図1 イスラエルのメーカーが実用化したカプセルカメラ
[画像のクリックで拡大表示]