電気自動車(EV)のスポーツカー「Roadster」でEV業界に旋風を巻き起こした米Tesla Motors社。その蓄電池は、自動車だけでなく、家庭や商業・工業向けでも活躍している。
Tesla Motors社は2014年9月、カリフォルニア州の隣のネバダ州に、「ギガファクトリー(Gigafactory)」と名付けた業界最大のLiイオン2次電池工場の建設を発表した。この電池工場では2020年までに、年間50 GWh相当の蓄電池の生産を開始する予定だ。
Tesla Motors社の広報担当者によると、Gigafactoryで製造する約30%の蓄電池が、自動車以外の家庭用、商業・工業用などの定置型蓄電池として使われるという。需要家側に設置する定置型蓄電池だけでなく、発電や送電といった供給側に設置する大規模貯蔵システムにも対応できるとする。
第2の太陽光発電になるか
2014年11月にカリフォルニア州サンディエゴで、「Energy Storage Opportunities for Business and Government(公共・産業向けの分散蓄電池活用機会)」という講演イベントが開催された。登壇したのは、蓄電池や蓄電池システムを手がける米国の5社の代表である。このイベントのオープニングで、「今回のスピーカーを務めるこれらの企業が、カリフォルニア州の定置型蓄電池のほとんどを供給している」と発表があった。
講演を務めた5社とは、クラウドサービスを利用した蓄電池ターンキーシステムを提供する米Green Charge Networks社と米Stem社、蓄電池システムを提供する米Sunverge Energy社と 米CODA Energy社、そしてTesla Motors社であった。いずれもカリフォルニア州に本拠地を置く。
イベントの主催者は、定置型蓄電池のことを「第2の太陽光発電」と呼んだ。これまで太陽光発電産業が爆発的な成長を遂げたように、蓄電池も成長するということだ。