日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2014年12月4日に発表した11月の車名別新車販売台数によると、トヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)「アクア」が2カ月連続で首位となりました。ユーザーの根強い低燃費志向などを反映し、登録車ではHEVあるいはHEVが選べるクルマが、10位までに3車種入りました。

 このように日本では、アクアのような「ストロングHEV」に人気がありますが、海外に目を向けると事情がやや異なります。例えば欧州では、48V電源の「マイルドHEVシステム」が注目されています。同システムはストロングHEVシステムより追加コストが少なくて済み、クルマへの搭載が容易といった特徴があります。2016年後半にはドイツの自動車メーカーが、48Vシステムを搭載した市販車を投入する予定です。

 欧州では「CO2排出量を95g/km以下に削減する」という規制の実施時期が、2020年から2021年に延期されました。これによりストロングHEVを増やさなくても、欧州メーカーが得意とするエンジンのダウンサイジング化や48Vシステムの採用などによって、CO2排出規制をクリアできる見込みが高まっているようです。

 48Vシステムは、中国や新興国向けのクルマにも導入しやすいメリットがあります。日本や北米などでは現在ストロングHEVが普及していますが、北米でも原油安の影響によって最近、ストロングHEVの販売が低調で、ガソリン車の人気が高まっています。そのあおりで、「トヨタが2015年1~3月に、HEVを中心に自動車生産を減らす」という報道もありました。こうなってくるとストロングHEVの普及は一部の国に限られ、世界的には48Vシステムが主流になるという見方も出てきます。

 こうした状況を受けて「日経Automotive Technology」は12月19日に、「48Vシステムはハイブリッドの主流になるか」と題したセミナーを開催します。同システムの特徴やメリットのほか、実用化を支える要素技術、普及に向けた取り組みなどの最新動向を解説します。ぜひ、ご参加ください。