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 「リアルツアー」は、企業で活躍している現役リーダーから新規事業について直接学べる“特別講義”である。ビズラボ第1期は全2回の開催を予定しており、第1回はルネサンス執行役員ソフト開発部長の望月美佐緒氏が講師を務めた。ルネサンスは、全国各地で会員制スポーツクラブを運営している他、近年は女性専用ヨガスタジオ「ドゥミルネサンス」や要介護者向けリハビリ施設「元気ジム」、ベトナム進出など事業の多角化を進めている。

 講義を受けるに当たり、各受講生には事前にルネサンスのスポーツクラブを体験するという“ミッション”が与えられていた。「実際に行ってみて、どう思いましたか」。望月氏は受講生一人ひとりにざっくばらんに感想を聞き、それから自身のキャリアを語り始めた。

 望月氏はかつてスーパーバイザーとしてスポーツクラブの“主力商品”である運動プログラムの商品開発や標準化に取り組んでいた。本社の管理職になってからは、品質向上や人材育成などに力を注ぎつつ、新規事業も推進してきた。華やかに見えるが、そのキャリアは決して順風満帆ではない。プログラムの標準化に関するインストラクターとの交渉で辛酸をなめたり、管理職の重責に押し潰されそうになったりしてきた。

 新規事業も、すべてが成功しているわけではない。それでも、従来型のスポーツクラブで培ったノウハウや人材を生かせるような新規事業を日々試行錯誤しているという。たった1度とはいえスポーツクラブの現場を垣間見たことで、受講生たちは望月氏のキャリアをリアルに感じることができた。

 講義終了後、望月氏は「みなさんが考えるスポーツクラブの新しい“カタチ”を教えてください」と新規事業のアイデアを募った。まさかの展開に驚く受講生たちだが、現場を体験した上で望月氏の思いや悩みを聞いたこともあって、次々とアイデアが出てくる。一方的に講義を受けるのではなく、望月氏に対してビジネスモデルを提案するという、リアルな“腕試し”まで実現。充実した時間となった。