IoT(Internet of Things、モノのインターネット)やメイカーズがブームです。ベンチャーから大手まで各社がIoTを利用した面白いデバイスを次々と提案していますが、個人がそのようなデバイスを作ることも夢ではありません。

 「Arduino」や「Raspberry Pi」、「Edison」など、低価格で使いやすいマイコンボードが多数登場したおかげで、センサーデータの処理、LEDやモーターの制御を行う工作が非常に簡単になりました。自分だけのプリント基板も、「P板.com」などのサービスによって、手軽に入手できるようになりました。そして、3Dプリンターで外装を作れば、出来上がりがぐっとオシャレになります。個人で所有しなくても、「MONO」などのような時間借りできる場所や、「DMM.make」などの通信販売サービスを利用することもできます。

 さて、イマドキの電子工作ですから、やはりネットワークとは切り離せません。そして、IoT的には、無線通信を実現したいところです。センサーデータはサーバーに送っておいてWebブラウザで時系列データとして観察したいですが、無線ならばセンサーすべてに配線する必要がありません。モーターの制御を無線通信で行えば、ラジコンだって簡単に作れます。しかし、無線通信は、通信方式と部品の選択、ドライバー・プロトコルスタックの導入、そしてアプリケーションプログラムの作成と、結構な費用と手間がかかりますし、その処理をするためのプロセッサをどうするかも考える必要があります。

 電子工作が身近になってきたとはいえ、無線通信するようなIoT機器はさすがに個人には難しいのでしょうか。実は、決してそんなことはありません。その証拠として、まずはこちらのビデオをご覧ください。

 このクレーンゲームでは、タブレットの画面をタッチして、無線通信でクレーンを動かしています。実は、このゲームの通信モジュールには東芝の「FlashAir」というSDメモリーカードが使われています。ビデオに登場した、女の子の描かれた白いカードがそれです。

クレーンゲームに使われている「FlashAir」
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