2014年9月16日。東京・新橋の会議室は熱気を帯びていた。そこで開催されていたのは「スーパートレーニングセンター(STC)」のワークショップ。STCは、リアル開発会議が提案したプロジェクトである。アスリートのためのスポーツ・文化・施設・芸術総合研修所の実現をうたっている。現役アスリートのトレーニングはもちろん、引退したアスリートの雇用の“場”を生み出すことを目指す開発テーマだ。

 ワークショップに参加した顔ぶれは多彩である。アドバイザーとして招聘した元プロラグビー選手の福永昇三氏をはじめ、フィットネスジムや宿泊施設、教育関連、建築、土地活用、スポーツ技術調査など、様々な業種の企業からプロジェクトに興味を持つ参加者が集まった。特に興味深かったのは、経営者の参加が多かったことだ。STCの誘致に興味を持つ自治体として、沖縄県うるま市も名乗りを上げた。

ワークショップから開発ミーティングへ、さまざまな業種が集まってプロジェクトが始動した
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 この、うるま市が実に積極的なのである。沖縄の人はのんびりしているという世評は、実は虚構ではないか。同市の担当者は初対面の面々が集う会合で、さっそうとプレゼンを始めたのだ。うるま市の担当者によれば、沖縄県は既にスポーツ関連で盛り上がりを見せつつある地域なのだという。

「プロ野球のほぼすべての球団が、沖縄を冬のキャンプ地にしています。最近では台湾のプロ球団もキャンプに訪れ、交流戦も盛ん。宮崎キャンプで有名な読売巨人軍もオープン戦のために沖縄に来るようになりました」