記事を書く際、新しい用語には( )を付けて、説明などを加えることが多い。その用語が業界やちまたでよく使われるようになると、( )がなくなる。用語の巣立ちだ。今年、巣立ちとなった用語の1つがIoTである。IoTはInternet of thingの略で、数年前に登場した時には、IoT(Internet of things、モノのInternet)などとしていた。最近は、IoTのままだったり、せいぜいIoT(Internet of things)と略語のフルスペルを付記する程度になった。

 IoTは、言葉通りでは、基本的に人がユーザーだったInternetを、機器が利用するよすることを意味している。すなわち、Internetに機器を接続して、機器同士がデータ交換する。このデータによって、新たな付加価値を得られそうだ、もっと端的に言えば、データからカネ儲けができそうだ、という期待が高まり、IoTという用語が一般的になったと言える。先日、筆者が出席した米IBM社の記者会見で、同社のKen Keverian氏(Senior Vice President、Corporate Strategy)が、IoTで得られるデータを意識して、「データは世界の新たな天然資源となりつつある」と述べている(日経テクノロジーオンライン関連記事)。

 新たなに取得したデータが付加価値を生めそうなことは想像に難くないが、どんなデータからどうすれば効率良く付加価値を得ることができるか。それを知りたいと、日経エレクトロニクス別冊「稼ぐ ビッグデータ・IoT技術 徹底解説」(同別冊のホームページ)を、日立製作所作 研究開発グループ(日経エレクトロニクスDigital関連記事)と弊誌で作ることにした。発行は、2014年12月25日の予定である。

 この別冊は4部構成で、第1部はビッグデータやIoTの捉え方を示した総論。第2部は、すでに実用化したビッグデータ・IoT活用事例の紹介。第3部は、ビッグデータ・IoTから付加価値を生みだすのに必要な技術の解説。第4部では、日経エレクトロニクス誌に掲載されたビッグデータ・IoT関連記事を厳選。1部~3部が書きおろしで200ページ、全250ページの予定である。

 ビッグデータやIoTに関わるエンジニアの方やそのマネージャーの方、ビッグデータやIoTで重要な技術を知りたいICT関係者の方、そしてビッグデータやIoTでマネタイズが可能になる技術的な裏付けを欲しい方に、最適な書籍となる予定。CD-ROM版も用意した。ご一読をお勧めしたい。