人に愛されることを職業に

――そもそもなぜ、このようなコミュニティーを設立しようと思ったのか。
 子供の頃から親族や周りの人は自営業ばかり。将来は独立して自分で会社を構える気持ちだったが、学生時代はスポーツにのめり込み、就職のことがよく分かっていなかった。そのため、最初に就職した企業は、“ブラック”と呼ばれてもいいような歩合制の営業職だった。それでも営業成績をすぐに伸ばし、若くして経営幹部になった。

 しかし、転機が訪れる。生死をさまよう病気を患って入院してしまった。その際に部下をはじめ、同僚や上司、誰も見舞いに来なかった。そこから「今度死ぬような目に会うときは、皆に看取られたい」と、人に愛されることを職業にしようと目覚めた。その後、紆余曲折を経たものの、Settennを2013年に設立した。

――今後の展開はどうするのか。
 近い将来、Settennの会員企業を1000社にしたいと考えている。そうすれば、新しいサービスを展開できるとみている。例えば、1000社を対象とした福利厚生サービスの充実である。1000社もあれば、航空券や宿泊の割り引きなど様々な恩恵を受けることができるはずだ。参加企業の月1万円というこれまでの会費は変えることなく、航空会社や旅行会社などから収益を得るビジネスモデルを展開できるだろう。そのためには、1000社くらいの会員企業が適切だと考えている。

さんたんだ・ひさや●パラシュート 代表取締役。2000年に一生付き合える仲間作りをテーマに若手経営者の会である「若手商店街」を設立。現在、北海道、関東、東海、関西、九州、沖縄の6支部があり、約400社の会員数がある。現在、全国代表理事。他に日本介護協会常務理事やグローバルキャリア協会理事などを歴任する。(写真:加藤 康)

本コラムでは次回以降、三反田氏にSettennに参加する様々な企業を紹介してもらい、新しいビジネス創出について探っていく。

<次回に続く>