今回のSCR大喜利では、「ビッグデータの棲家は半導体に何を求めるのか」と題し、なかなか動きが見えにくいデータセンター向け半導体をどのように考えていったらよいのか探っている。今回の回答者は、いち半導体部品ユーザー氏である。半導体の使い手の視点から、データセンター向け半導体について語っていただいた。

いち半導体部品ユーザー
某ICT関連企業
ICT関連企業で装置開発に必要な半導体部品技術を担当。装置開発側の立場だが部品メーカーと装置開発の中間の立場で両方の視点で半導体部品技術を見ている。

【質問1】データセンター向けデバイスの市場で、半導体業界の勝ち組となるのはどのような企業か?
【回答】オープンであることと信用されることに注力したデバイス・メーカーあるいは企業団体

【【質問2】パソコンやスマートフォンなど端末向けデバイスとデータセンター向けデバイスでは、そのビジネスモデルに違いがあるのか?
【回答】データセンター向けデバイスは流通性、保守性も重要

【質問3】データセンター向けデバイス市場の成長は、半導体の設計・製造技術にどのような影響を与える可能性があるのか?
【回答】技術の融合と、これに相反する捨てる、諦める技術が今後半導体の設計・製造技術に大きく影響する

【質問1の回答】オープンであることと信用されることに注力したデバイス・メーカーあるいは企業団体

 IoTによる急速なビックデータの拡大で、データセンターの規模も数も拡大する。従って、拡大に必要な高機能、高信頼度、低消費電力、低価格などへの取り組みは当然要求される。さらにはデータセンター自体の存在やそこで行われるデータ処理についての信頼度も要求されるはずである。これは通常の高セキュリティ、高信頼性だけではなく人々から信用されるものであることが重要となる。それには隠れた存在、隠れたデータ処理ではなく何があるのか、何をしているのかオープンでなければならない。これはデータセンターそのもののと、データセンターを構成する半導体に対しても同様と考える。つまり半導体業界もデータセンターの裏方ではなく前面に出てこなければならない。

 これはデバイス・メーカー1社でも良いが基本は同じ考えを持った企業団体での対応になると考える。IoTの標準化を目指した企業団体は複数立ち上がるはずだが勝ち残る要件のひとつになると考える。このメーカー、団体のデバイスを使用したデータセンターは信用できるという状況になった時、それを満足できたメーカー、団体が勝ち組になると考える。