日経テクノロジーオンラインの技術経営とその関連サイト「アジア」「Japan Technology Next」「COLLEGE」に投稿された全ての記事(2014年9月30日~10月20日)のアクセス数ランキングは、青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏を日亜化学工業の退職直後に取材したインタビューがトップとなった。

 1位の「僕が会社をやめたわけ--青色LEDの発明者 中村修二氏に聞く」は、中村修二氏が1999年12月に日亜化学工業を退職した直後のインタビューである。今から14年以上前の記事だが、ノーベル物理学賞の受賞を記念して中村氏の関連記事を青色LED特集やメールマガジンで取り上げたことで、トップに浮上した。

 20年以上在籍した日亜化学工業を退職するにあたって、中村氏は「日本の企業にこれ以上しがみついていても、何もいいことはない。プロ野球選手に習ってFA(フリー・エージェント)宣言した」と胸の内を明かす。そして、転職先となるU.C. Santa Barbara校の印象や今後の研究活動について語る。中村氏の関連記事ではこのほか、6位「『日本の司法は腐っている』、中村修二氏が記者会見で怒りをあらわに」、12位「日亜化学、『404特許』放棄の深層---費用対効果で不要な特許を処分」がノーベル賞効果でランクインした。

 2位の「ソニーを無配に追い込んだ「のれん」1800億円減損から読み取れるもの」は、ソニーが2014年9月17日に発表した減損処理とそれに伴う2015年3月期の業績見通しの下方修正について、工学部出身の公認会計士である金子智朗氏が分析した記事だ。人気連載「会計視点で見る話題の業界動向」の1本である。

 今回の減損処理は、ソニーが2012年2月にSony Ericsson Mobile Communications(SEMC)を完全子会社化する際に、スウェーデンEricsson社の持分だったSEMCの株式50%を買い取るために計上した「営業権」1800億円についてのものだ。だが、ソニーのモバイル事業は、中国製の格安スマートフォンなどとの競合で当初計画より業績が悪化。結果として、営業権全額を減損処理するとともに、1958年の上場以来、初の無配に追い込まれることになった。

 記事では、「営業権」の仕組みを解説するとともに、今回の減損処理と無配を通じて、ソニーのエレクトロニクス事業が進むべき方向を探る。連載「会計視点で見る話題の業界動向」からは、「サムスン電子の減収減益をどう読むか」も14位に入った。