ルネサス エレクトロニクスは2014年9月2日、同社初となる開発者向け総合プライベートイベント「Renesas DevCon Japan 2014」を開催した。「一歩先の世界へ ~Keeps you ahead of the challenges~」をテーマにした同イベントは、基調講演で同社 代表取締役会長兼CEOの作田久男氏が「改革はまだ道半ばだが、その次の一歩へ進む準備ができてきた。変革しつつあるルネサスの姿と、我々が持つ卓越した技術を体感してもらいたい」と言うように、改革のフェーズが変わったことを内外に印象づけるものだった(日経テクノロジーオンライン関連記事)。

 また作田会長は、報道機関を対象にした記者会見にも登場し、現在の問題意識、これからの方向性などについて語った。倒産の危機にあった就任時から1年3ヵ月経ち、同社の業績は回復基調にある。そして、長期的な生き残り戦略を考えるべきフェーズに入ってきたとしている。そして、着手すべき施策の視点として、「新事業の育成」と「粗利率の改善」の2つを挙げた。

 今回のSCR大喜利では、「ルネサスの改革第2幕を考える」と題し、作田会長が語る今後の同社の方向性を客観的に検証していただいた。回答者に投げかけた質問は以下の3つ。

【質問1】
ルネサスは、事業の改革が、長期的な成長・生き残りを考えるフェーズに入ったと言うが、この認識は正しいか?

【質問2】
同社の強み・特徴を鑑みて、「新事業の育成」の軸とすべき市場は何か?

【質問3】
日本の自動車業界の商習慣を論じ、「粗利率の改善」を図るとしているが、こうした方針に勝機を見出すことはできるか?

 回答者は以下の通り。

和田木哲哉氏
野村證券
「自動車向けで得た強みと反省点を、IoT市場の攻略に活かせ」参照

湯之上 隆氏
微細加工研究所
「まず社員の士気の鼓舞が必須、顧客や株主とも戦う経営陣の姿が見たい」参照

南川 明氏
IHSテクノロジー
「選択と集中、営業強化、開発体制の改善、やるべきことはまだまだある」参照

石野雅彦氏
アドバンスト・リサーチ・ジャパン
「自動車関連の顧客は日本企業が主力、海外での地位改善に大きな余地」参照

表1●回答のまとめ
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