メガソーラーを監視(写真:Skycatch社)
メガソーラーを監視(写真:Skycatch社)
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赤外線カメラによるホットスポットの検出(写真:Skycatch社)
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グラウンドステーションに戻るUAV(写真:Skycatch社)
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建設現場を飛行するUAV(写真:Skycatch社)
建設現場を飛行するUAV(写真:Skycatch社)
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 米国の太陽光発電産業でメジャーな存在である米First Solar社と米SolarCity社が、相次いで無人航空機(UAV:unmanned aerial vehicle)の活用に乗り出した。UAVと関連ソフトウエアは、シード期に米Google社などから出資を受けて2013年に設立された、スタートアップ企業の米Skycatch社(カリフォルニア州サンフランシスコ)が開発したものである。

動植物の保護にも活用

 Skycatch社は、高精度な画像を空撮できる小型UAVと、収集した画像を処理・分析するソフトウエアをパッケージにしたターンキーサービスを提供している。建築や鉱山、農業、太陽光発電などの業界に携わる大手企業が主な顧客である。

 太陽光発電分野でのUAVの利用方法としては、何万枚や何百万枚という大量の太陽電池モジュールの中から、搭載した赤外線カメラでホットスポット(異常発熱)を検出するのに用いる。作業員が測定器を用いてモジュール1枚1枚を点検するのに比べて、人件費を大幅に削減できる。

 さらにUAVは、大規模太陽光発電所における野生動植物の保護にも利用できる。米国では大規模太陽光発電所を建設する場合、野生動植物の生息地・生育地を保全・管理しなければならない。建設計画段階でUAVを地上近くに飛ばせば、計画地域に生息する野生動植物を確認して、適切な処置を考えることができる。さらに発電所が完成した後は、周囲をの野生動物をUAVで移動させることもできる。

 First Solar社は、世界最大のEPC事業者(EPCは、engineering(設計)、procurement(調達)、construction(建設)の意味)で、CdTe 型太陽電池メーカーでもある。米SolarCity社は、米Tesla Motors社のCEOであるElon Musk氏が取締役会長を務める。両社はSkycatch社とUAVを使用したサービスを契約済みだが、これらの企業への詳しいサービス内容は一般には明かされていない。

 First Solar社は、世界最大規模の「Agua Caliente」と呼ばれる290MWの太陽光発電所で、Skycatch社のUAVサービスを利用することになっている。Agua Calienteは、16km四方の敷地に、520万枚のモジュールを設置している。このような広大な場所でUAVはその効果を発揮することができるだろう。