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HOMEものづくり竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」 > 中村修二さんだけでなく優秀なエンジニアの海外流出は続く

竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」

中村修二さんだけでなく優秀なエンジニアの海外流出は続く

ローリスク・ローリターンからハイリスク・ローリターンに変わったエンジニアの環境

  • 竹内 健=中央大学教授
  • 2014/10/16 00:00
  • 1/4ページ

 ノーベル賞を受賞された中村修二さんは2000年に青色発光ダイオードを開発した日亜化学を退職し、アメリカの大学に移られています。国籍もアメリカに変わっているので、ノーベル賞は「日系アメリカ人」に授与されました。中村修二さんは

「日本のエンジニア・研究者は報われない、自由がない」
「日本のエンジニアは米国に来るべきだ」

と繰り返し仰っています。エンジニアに限りませんが、米国はハイリスクでハイリターン。大学を例に取っても、米国の大学では、教員の給料は9カ月分しか大学からは支給されない場合も多いようです。6~8月の3カ月分の給料は、自分が集めた研究資金や企業へのコンサルティングで稼がなければいけません。

 その一方、企業や政府から巨額な研究費を集める教員は、日本の大学教員よりもはるかに多額の収入を得ることができます。また、多額の研究費を稼いだ教員は、その一部を大学に納めますので、大学に対して金銭的な貢献をすることになります。その結果、大学を運営するための仕事や講義の負荷が軽くなることもあるようです。

 米国の大学では稼げない教員はどうなるか。研究費を稼げないと自分の収入が下がるだけでなく、大学に対して金銭的な貢献をできないため、講義等の負荷が増えるようです。稼ぐ教員の代わりに講義などを行うことが求められる。そうすると、研究する時間が減り、研究費を稼ぐことが更に難しくなる、という悪循環に陥りかねません。

 一方、日本の大学では研究費を稼いだところで教員の給料が増えるわけではありませんし、講義を他の人に肩代わりしてもらえるわけでもありません。大学は社会を写す鏡ですので、程度の差はあっても、企業のエンジニアも似たような傾向はあるでしょう。

 エンジニアのリスクは働く企業が大企業かベンチャー企業か、業種によっても異なります。おおよその傾向としては、米国のエンジニアはハイリスクでハイリターン、日本ではローリスクでローリターンと言えるでしょう。

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