米Apple社の新型スマートフォン「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の発売初日となった2014年9月19日、Simフリー版を買い求める中国人が東京や大阪の「Apple Store」に大挙して訪れ、在庫切れで手に入れることのできなかった一部の中国人が騒ぎ、警官が駆けつけるなどの騒ぎになった。このことは、ほとんどの読者がニュースなどを通じてご存じのことと思う。中国人がわざわざ日本までiPhone 6/6 Plusを買いに来たのは、このコラムでも前回取り上げたが、中国が9月19日の発売第1陣の9カ国・地域はもとより、第2陣の9月26日の22カ国・地域から漏れたばかりでなく、発売日が未定とされたためだ。東京や大阪に集まった中国人の中には自分で使うための人もいたが、中国に持ち帰って転売する目的の業者やブローカーが大半だったようだ。

 日本での価格は4.7型のiPhone 6が16Gバイトモデルで6万78000円、5.5型の6 Plusが7万9800円。1人2台までという制限があったこともあり、当日、Apple Store付近では、6を9万5000円、6 Plusを10万5000円で買い取るというチラシが配られていたようだ。

 さて、日本から中国に持ち帰ったiPhone 6/6 Plusはいくらで売られたのだろうか。そこで今回は、転売の話の他にも、「iPhone 6/6 Plusで儲けた話」をいくつか拾って書いてみることにする。

 まずは先ほどの続きで転売から。9月に入って急速に進んだ円安で、円・人民元のレートはこの原稿を書いている9月26日時点で1元=約17.7円だ。

 中国では、第1陣の発売日である9月19日以前の段階で、6が1万3000元(約23万円)から、品薄と言われている6 Plusが2万元(約35万4000円)からになるとの予想が出ていた。ところがフタを開けてみると、19日の段階で6は9200元(約16万3000円)、6 Plusは1万8000元(約31万9000円)と、予想よりは幾分低めの値段を付ける店が多かったようだ。それでも日本の定価よりは6で10万円、6 Plusで20万円以上の上乗せということになるからこの値段で売れればかなりの儲けが出る。ただ、毎年新型のiPhoneが出るたびに買ってくれる常連さんや、常連さんの紹介で来た客に対しては、そこまでの値段は出せなかったようだ。