実社会で通用する力が身に付く

 このようにCOJTでは、1年を通じて一貫した技術を習得した上で、その技術を生かして実際にシステムを提案・制作します。受講生にとっては、実社会で通用する力を身に付けるとともに、自分を見つめ直す素晴らしい機会にもなっています。

 ハードウェアコースでは主としてLSI設計を中心とした技術の習得を目標としています。COJTで課題を超えた内容について本気で取り組んだ経験は、その後の研究活動や就職後の仕事と直接の関わりはなくても、さまざまな形で必ず受講生自身の助けになるものと信じています。

 この連載では、そんなCOJTの模様を受講生が自ら発信していきます。私もTAとしてできる限りのサポートをしていきつつ、受講生の今後の頑張りに期待したいと思います。

頑張るのは辛く、諦めるのは楽

 何かを「やりたい」と思ったとき、自分としてできることは「頑張る」か「諦める」かのどちらかです。頑張るのは辛く、諦めるのは楽です。COJTには、そこで「頑張る」ことを選んだ人を全力でサポートする環境があります。もちろん、「諦める」場合もその人の選択なので、決して非難されるべきではないと思いますが、どこかに「頑張る」ことを選ぶ人がいるからこそ、世の中は良くなっていくのだと思います。

 この連載で登場する学生は、自ら進んで記事の執筆に名乗りを上げた人ばかりです。自ら「頑張る」ことを選んだ彼らの姿を見ながら、皆さんも自分の中の純粋な気持ちを思い出していただければと思います。

COJTを支援する企業
 ここでは、COJTをさまざまな形で支援している企業を紹介する。

 COJTの講座は、アクセルの寄付金によって運営されている。同社は、次世代の技術者を育成するためのCSR(Corporate Social Responsibility)活動の一環として、カリキュラム作成や講師派遣などに深く関与している。アクセルは、自ら製造設備を持たない研究開発型の半導体メーカーで、組み込み機器向けグラフィックスLSIやサウンドLSI、圧縮伸張技術の研究・開発を中心に手掛ける企業である。

 COJTも協力する「UGC創作支援技術アイデアコンペティション」は、セルシスが主催している。同コンペティションは、筑波大学情報学群の学生からUGC(User Generated Contents)関連技術のアイデアを募り、独創性や新規性、有効性を審査・表彰するもので、COJTの取り組みと親和性が高い。セルシスは、グラフィックソフトウェアの開発やクリエイターを総合的に支援するWebサービスの提供などを手掛ける企業である。

 この他、COJTではザインエレクトロニクストイロジックから講師を招聘(しょうへい)し、学生たちが業界の動向などを知るための機会も設けている。(編集部)