皆さんは大学の実験講座と聞くと、どのようなものが思い浮かぶでしょうか? テキストの通りに機材を準備し、決まった手順をこなし、データを採取し、結果を解析して考察をまとめ、レポートにして提出。この流れを毎週繰り返すと、めでたく単位がもらえる! こんなスタイルを想像するのではないかと思います。

 しかし、筑波大学情報学群の実験講座「組み込み技術キャンパスOJT」(以下、COJT)は、通常のスタイルとは全く異なります。大学の一角に受講生がいつでも自由に使える机と椅子と最新の実験環境がそろっていて、最小限の課題をクリアしたら、各自が自分の好きなものを好きなように作っていい。「ハードウェアコース」と「ソフトウェアコース」の2コースがあり、各コースの定員は12人と少人数制です。しかも、大学外からその分野のスペシャリストをインストラクターとして招き、1年にわたって直接指導を受けることができる。そんな夢のような講座が存在するのです。

 自分の好きなモノを作ればよいのだから、新規性を気にせず自由に発想していいし、無理だと思ったら諦めてもいい。受講生に求められているのは、自分の作品を発表会でプレゼンすることだけです。今までの作品には、移動する物体の追跡、パターン認識、物理シミュレーション、音源チップ、カオス・フラクタル計算など他の授業で学んだことを応用したシステムから、ARシステムや各種ゲームといったエンターテインメントシステムまでさまざまなものがあり、どれも大学生が実験講座で作ったとは思えない素晴らしいものばかりです。

[COJT第5期ハードウェアコース動画]

 申し遅れましたが、私はCOJTにてティーチングアシスタント(TA)を務める筑波大学大学院博士前期課程2年の丸山裕士です。このコラムでは、COJTの魅力を伝えるべく、開発の過程を受講生が自らリアルタイムで発信していきます。