無線LANの代表的な規格である「Wi-Fi」の普及促進を目的とする業界団体「Wi-Fi Alliance」は米国時間2014年9月15日、「Wi-Fi Direct」について機能の拡張と新しい認定プログラムを発表した(発表資料)。日本でも同AllianceのVice Presicent, MarketingであるKelly Davis-Felner氏が来日し、9月16日に記者向け説明会を開催した。

Wi\-Fi AllianceのKelly Davis\-Felner氏
Wi-Fi AllianceのKelly Davis-Felner氏
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 Wi-Fi Directは無線LANルーターを経由せずに、デバイス同士がダイレクトに無線通信するための規格。Wi-Fi Direct対応デバイスはアクセスポイントを内蔵しており、通信に際しては、WPA2の暗号化などWi-Fiが備えるセキュリティ機能を利用できる。Wi-Fi Directを利用することで、ユーザーは無線LAN環境が存在していない場所でも、デバイス間のファイル転送、ビデオ画像のミラーリング、Wi-Fi Direct対応プリンターからの印刷などを実行できるようになる。

 今回の拡張機能を対象とする認定プログラムはすでに8月からスタートしており、新しい開発者向けツールキットの配布も開始している。主な拡張ポイントは、これまでユーザーまかせにしていたWi-Fi Directの接続設定を、個々のアプリケーションの一部として実行できるようにしたこと。「ユーザーはシングルステップでデバイスやサービスを発見し、接続、実行できるようになる」(Davis-Felner氏)。最新のツールキットには、そうした新機能をアプリケーションに実装するためのモジュールが追加されているという。

 現時点でWi-Fi AllianceはWi-Fi Directについて、以下の4つのサービスの認定プログラムを実施している。

  • Wi-Fi Direct Send:1台もしくはそれ以上のデバイスが、最低限のユーザー介入でコンテンツを迅速かつ簡単に送受信できる。
  • Wi-Fi Direct Print:1つのコマンドで、スマートフォン、タブレット、PCから直接文書を印刷できる。
  • Wi-Fi Direct for DLNA:DLNA相互運用性ガイドライン準拠のデバイス同士がストリームコンテンツ接続前にお互いを発見できる。
  • Miracast:デバイスは、Wi-Fi Directの最新デバイスサービス発見メカニズムを実装し、スクリーンミラーリングと表示をワンステップで可能とする。