経済成長が続くベトナムでLED照明が広がりを見せている。その中心は、進出が相次いでいる外資系企業だ。

 2014年1月に最大の商業都市ホーチミン郊外のタンフー(Tan Phu)区にオープンした日系ショッピングモール「イオンモール タンフーセラドン」。店内には、LED照明が採用された。

 市の中心部から9km離れた場所に位置するこのショッピングモールは、クルマやバイクで30分以上かかるお世辞にも便利とはいえない立地にも関わらず、多くの人々で賑わっている。イオンは、同年秋にホーチミンの北にあるビンズオン省で2号店を、2015年には首都ハノイに3号店を出店する計画だ。

2014年1月にオープンした「イオンモール タンフーセラドン」。店内にはLED照明が採用されている(写真:グラナージュ)

 イオンだけではなく、バーガーキングやケンタッキーフライドチキン、ピザハットなどの外資系ファストフードチェーンの進出ラッシュも続いている。コーヒーチェーンのスターバックスも2013年2月にベトナム第1号店をオープンした後、続々と店舗数を拡大し、2014年7月にはハノイにも進出した。

 筆者が訪れたスターバックスでは、欧米人や日系人、アジアの人々がLED照明の下でコーヒーを楽しむ姿があった。近くの高級ブランドでの買い物帰りと思しき人々の姿も目立つ。外資系の流通・外食系の店舗がLED照明の普及をけん引している。

 約8900万人の人口を抱えるベトナムは、他の東南アジア諸国と同様に若い国だ。国民の平均年齢は28歳前後。人口ボーナスによる経済成長の真っ直中にある。2013年の実質GDP(国内総生産)成長率は5.4%。1人当たりGDPは1902米ドルで、東南アジア諸国では「タイ」「インドネシア」「フィリピン」に次ぐ第4位である。ホーチミンの市内中心部を歩くと、日本人ビジネスパーソンの姿をよく見掛ける。外務省の統計では、2013年は前年比1881人増えて1万1000人以上の日本人が長期滞在者として登録している。