プロラグビー選手の草分けとして活躍した福永昇三氏は、所属したトップリーグ「三洋電機(現・パナソニック)ワイルドナイツ」では初代主将を務めた人物だ。現役を退く前から、複数のアパート経営を手掛ける“ラグビー大家”として注目を集めてきた。ケガに泣いた現役人生と、引退後の第二の人生を鑑み、アスリートのための施設をつくりたいと語る。

 トップアスリートだけでなく、多くの選手が正しいトレーニング方法を習得し、一流のリハビリを受けられる施設を実現すべく動き始めている。スポーツ種目の枠を超え、さらには業界を超えてさまざまな人と人とがつながることが、実現の道を拓くとみる。(リアル開発会議)
福永昇三氏。“ラグビー大家”として有名である。(写真:加藤 康)

 2009年に現役を引退し、現在は沖縄に住みながら月2回、南の島と東京を往復する日々を過ごしている。決して人生をリタイアしたわけではない。今、私は大きな夢の実現に向けて動き出している。

 それは日本中からアスリートが集まる総合トレーニング施設をつくり上げることだ。現役選手のトレーニングやリハビリだけでなく、引退後のアスリートが活動できる場にしたい。これは、夢というより目標である。現役時代の苦い経験が、この取り組みの原動力になっている。

 アスリート向けのトレーニング施設を具現化するには、多くの人々の協力が不可欠だ。アスリートはもちろんのこと、先端のスポーツ医学やトレーニングの知見が重要な役割を果たす。付属する宿泊施設や飲食店の運営に加え、スポーツ興行を成功に導くビジネスの手腕も必要になるだろう。つまり、多くの業界が力を合わせ、オープンに意見を交わす取り組みが実現に向けた第一歩になる。ドリームチームによる共創が道を開くのだ。