前回前々回と2回にわたって、10代から20代前半の若者の支持を獲得し、ユーザー数が750万人を突破した人気のライブ動画配信サービス「ツイキャス」のヒットの要諦を分析してきました。スマホだけで日常生活を生放送できるこのサービスは、動画による新しいコミュニケーションの姿を形づくりつつあります。

 そのヒットの要諦は、四つありました。

■ツイキャスの「ヒットの要諦」
その1:
面白いと思ったら躊躇せず、打席に立つ回数を増やせ!
その2:
自分が面白いと思えるサービスを開発せよ!
その3:
ユーザー同士が助け合う“安心サービス”は、地道で誠実なユーザーサポートから生まれる!
その4:
ユーザーの質問は、開発者にとって宝の山である!

 今回はツイキャスを運営するモイ(東京都・千代田区)の社長で開発者の赤松洋介氏と、事業企画を担当する同社の丸吉宏和氏のインタビューをお届けします。ツイキャスを生み出した赤松氏の性格や考え方が垣間見えるインタビューでした。(以下、聞き手は筆者)

モイの赤松社長(左)と、丸吉氏(右)

―― ユーザー数も増えて、好調ですね。

丸吉 ツイキャスの登録ユーザー数は、直近で700万人を突破しました。4年前にスタートしたサービスですが、毎年、ユーザーが倍々で増えています。今は収益性よりも、ユーザー数を意識しています。海外のユーザーも多いので、そちらにも力を入れてグローバルなサービスに育てたいと考えています。

赤松 これまでは、日本にデータセンターを置いて運営していました。ここにきて、米国や欧州などさまざまな国からのアクセスが増えています。そこで、米国にもデータセンターを立ち上げようと思って、今年の初めに米国にも出掛けました。海外マーケティングの拠点という意味で、小規模なシェアオフィスの中に席を借りています。