ロボットスーツHALの前に立つ山海嘉之・筑波大学大学院教授。
撮影 根岸聰一郎

「山海先生、感動ありがとう。ぼくらが夢見たロボット社会はロボコップやターミネーターではなく、ドラえもんやアトムの世界です」

手足を思うように動かせずに悩む人だけではなく、そうでない人たちからも応援メッセージが届く「ロボットスーツHAL」の開発者、山海嘉之(さんかいよしゆき) ・筑波大学大学院教授。

風邪を引いて寝込んでいたとき母親が買ってくれたアイザック・アシモフの『われはロボット』に感激し、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』に影響された少年は、長じて人間と機械が融合する世界初のロボットを生み出した。

既存の学問領域を超えた発想の原点にあるのは「こういうものがあったら、きっとみんなが喜んでくれるだろう」という人と社会を思いやる心だ。

つえを使わずにバージンロードを歩きたい

 いかに読者に「希望」を伝えるか――未曾有の大災害が東日本を襲った厄年が改まった本年(2012年)元旦の新聞は、各紙とも正月特集の企画に工夫をこらした。

 そのなかで毎日新聞の正月特集、「バージンロード 歩けた 筑波大教授 開発 ロボットスーツで訓練」という見出しで紹介された「ロボットスーツHAL」は、思うように手足を動かせずに悩む人だけではなく、そうでない人たちにも希望と夢をもたらした。「山海先生、感動ありがとう。ぼくらが夢見たロボット社会はロボコップやターミネーターではなく、ドラえもんやアトムの世界です」

結婚式でバージンロードを歩く大村啓子さんと、見つめるご両親(向かって右側)。
写真は大村さん提供

「以前は夢物語だったけれど、製品化されて病院・施設に広まっている!ポータブル化が進んで在宅で使える日も近い!?」

「脳の歩けという信号を受けて、歩くことをロボットがアシスト、歩けた実感で強化! 実感ある支援は大切ですね」

「アメリカでは軍事技術として開発されている筋力サポート用ロボットスーツ、山海筑波大教授らは歩行サポート用として開発。後者のほうがいいだろう」

「ロボットスーツ『HAL』はやっぱりスゴイです」

 同記事の電子版には、こんな反響が寄せられた。