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カリフォルニア州Folsomの太陽光発電システム(写真:Intel社)
カリフォルニア州Folsomの太陽光発電システム(写真:Intel社)
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ノースカロライナ州にあるデータセンターを稼働する20MWの太陽光発電施設(写真:Apple社)
ノースカロライナ州にあるデータセンターを稼働する20MWの太陽光発電施設(写真:Apple社)
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Google社は消費量の32%


 5位のGoogle社は、消費電力の100%をグリーン電力で賄うとする目標を持っている。バイオガスや太陽光、風力で発電した7.3億kWhのグリーン電力を、この1年間に消費した。同社の年間電気消費量の32%に相当する。環境価値を購入する代わりに、(1)再生可能エネルギー発電所(IPPなど)と電力購入契約(PPA)を交わす、(2)自社で再生可能エネルギー発電設備の投資・発電を行う、という2つの手段でグリーン電力を社内に供給している。

 Google社は、アイオワ州にある 114 MW 、オクラホマ州にある100.8MWの風力発電所と電力購入契約(PPA)を結んでいる。アイオワ州とオクラホマ州の風力発電所から購入した電力は、各地域の電力網を通って、それぞれの州にある2 つのデータセンターに供給している。さらに2007 年、Google社、はMountain Viewにある本社に1.7 MWの太陽光発電施設を設置して、グリーン電力のオンサイト自家発電も始めた。

 6位になったのは、米国最大のディスカウントストアーのWal-Mart Stores 社である。年間6.5億kWhのグリーン電力を購入した。同社は電力消費量の100%を再生可能エネルギーで賄うという目標を2005年に設定したが、現時点ではまだ3%にとどまっている。バイオガスなどのグリーン電力を購入しているが、大半のグリーン電力は自家消費用に店舗の屋上に設置された太陽光発電施設から供給している。 

 Wal-Mart Stores 社の太陽光発電施設の累計導入量は89MWで、米国企業で最も多い。システム設置数でも215と米国トップである。2014年5月にオバマ大統領がカリフォルニア州Mountain ViewにあるWal-Mart Stores 社の店舗を訪れた際に、同社は「2020年までに(自家消費用の)太陽光発電施設の設置数を2倍にする」と公約した。

Apple社は自家消費用で米国最大


 Apple社も、社内で使う電力の100%を再生可能エネルギーで賄うという目標を持っている。2010年には同社が使うエネルギーのうちの35%が再生可能エネルギーだったが、現時点で92%と大幅に増加した。グリーン電力購入量は6.3億kWhになる。

 これまでにApple社は2つの大規模太陽光発電施設を建設している。2012年にノースカロライナ州Maidenにあるデータセンター上に20MWのシステムを、2013年にデータセンターの近くの敷地に20MWの施設を設置した。さらにノースカロライナ州のデータセンターに、10MWのバイオガス燃料発電施設を設置した。20MWの太陽光発電と10MWのバイオガス燃料発電の容量は、非電力会社が持つ自家消費用で米国最大規模となっている。このデータセンターでは「再生可能エネルギー100%」をすでに達成している。

 Apple社は、2014年7月に、新たな大規模太陽光発電施設の建設を発表した。規模は7.5MWで、ノースカロライナ州Maidenに建設する。設備投資額は5500万米ドルで2020年までに完成する予定である。さらにネバダ州の電力会社NV Energy社との間で、発電能力18M~20MWの太陽光発電施設を同州Renoに建設する契約を結んだと発表した。これまでRenoのデータセンターは、地熱発電によるグリーン電力を地元の電力会社から購入していた。データセンターの拡大に伴い、新たな太陽光発電でデータセンターを稼働させる計画である。