海外の地名をカタカナ表記にする裏技

 Google社の商品開発の考え方で、すぐにでも日本の技術者が真似した方がいいのではないかと思う点が2つあります。1つは、「ソフトの力を最大限に引き出して人手を掛けずに自動化する」こと。そのために同社が採用している方法が奇想天外で面白い!

 例えば、皆さんは、Googleマップ上に掲載されている海外の地名のカタカナ表記が、どのように作成されているかご存じですか? Google本社のグループプロダクトマネージャーを務める河合敬一さんによると、実はアレ、ほぼ自動で作成しているそうです。まず、その国の言語に対応した自動音声読み上げソフトを使って地図上の地名を音声に変換します。その音声を今度は日本語の音声認識ソフトで聞き取り、カタカナに変換するのだそうです。この話を聞いた時、僕は「うーん、頭がいい」とうなってしまいました。でも、河合さんいわく、「どうやったら手間を省けるかを考えるのは(Google社では)当たり前。エンジニアは常にその方法を模索している」といいます。

Google本社のグループプロダクトマネージャーを務める河合敬一さん
Google本社のグループプロダクトマネージャーを務める河合敬一さん
Google社が世界中で展開するGoogleマップの写真関連製品の開発を統括している。

 これは僕の見解ですが、日本の働き手には、「どんな仕事でも汗水たらして手を動かしてこそ」という考え方が染み付いている気がします。これは、ハードを造る、いわゆるものづくりを得意としてきたからこその国民性なのかもしれません。もちろん、汗水たらして手を動かすこと自体は悪いことではありませんが、今やグローバル競争の時代。使える物は何でも使ってスピードを手に入れないと、いずれ世界の先端から取り残されていくような気がします。Google社のようにソフトを駆使して自動化するやり方は、ハードの開発においても取り入れるべきではないでしょうか。