花王で「アタック」や「レイシャス」などの開発に携わった美崎栄一郎氏が、特定の商品がヒットした理由をひも解いていく連載「ヒットの謎解き」。雑誌『日経ものづくり』との連動企画で、Web版では雑誌に盛り込めなかったこぼれ話などを掲載していく。第8回のテーマは、米Google社が展開するGoogleマップの「ストリートビュー」だ。

 Google社が提供するサービスの価値、それは「ソフトウエアの技術を駆使してユーザーの手間を徹底して省く」ことにあると僕はみています。本連載の雑誌版(有料会員向けPDF購入)では、Googleマップ上の特定の地点を選ぶとその地点から見た360°のパノラマ写真を閲覧できるサービス「ストリートビュー」に着目しました。

ストリートビューで山登りを満喫
ストリートビューで山登りを満喫
Google日本法人であるグーグル本社には、ストリートビューをよりリアルに味わえる装置がある。

 興味深いのは、同社がユーザーの手間を省くだけではなく、そのサービスを生み出す開発の段階で「作り手側の手間」をも徹底して省いている点にあります。ここでは、そんな同社の商品開発における考え方を「ソフトウエア」と「ハードウエア」という視点から見てゆきます。こうすることで、特に日本のメーカーに勤務する技術者にとって参考になる「ヒットの生み出し方」が見えてきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。