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竹内 健の「エンジニアが知っておきたいMOT(技術経営)」

真のイノベーションは専門家にも理解されない

フラッシュメモリの原型、浮遊ゲートセルの発明は学術誌に掲載を拒否されていた

  • 竹内 健=中央大学教授
  • 2014/08/12 00:00
  • 1/4ページ

 技術者や研究者の皆さんは日々新しい技術を求め研究開発をされていることと思います。ただ、画期的な技術は、提案した時の「常識」では荒唐無稽にも見えるもの。ともすると、「そんなことはできるはずはない」と、身近な専門家からも批判されることも多いでしょう。

 常識的ではない、誰でもすぐには考え付かない、その時代の技術では実用化できないからこそ、破壊的なイノベーションなわけです。ひょっとしたら、新しい技術を提案した時に、直ちに多くの人に認められるようでしたら、大した技術ではないのかもしれません。みんなからすぐに「いいね!」と言われるようなら、飛躍が足りないかもしれません。

 真のイノベーションを実現するには、技術的な困難を克服することに加え、周囲に認められなくても自分を信じやり続けるタフな精神力、孤立無援の中でもリソースを集めて研究開発を継続するサバイバル能力が必要です。

 電源を切ってもデータを保持することができる(不揮発性である)フラッシュメモリは高速かつ低電力、小型な記憶媒体として携帯電話やデジタルカメラ、パソコンに搭載されています。最近はフラッシュメモリはデータセンタのストレージとしても使われるようになりました。IoT:Internet of Thingsとも呼ばれる、社会のさまざまな場所に設置されたセンサのデータやSNSのデータを高速に解析、検索、処理することで、リアルタイムに応答するITサービスが期待されています。

 このように社会で不可欠となったフラッシュメモリは、私のかつての上司である舛岡富士雄先生(東北大学名誉教授、発明当時は東芝に在籍)によって発明され、1984年の半導体関係の国際会議「IEDM」で発表されました。舛岡先生はその後、現在広く使われている大容量で低コストなNAND型フラッシュメモリを発明され、1987年のIEDMで発表されました。

 舛岡先生がフラッシュメモリの発明者として技術開発に携わるだけでなく、プロジェクトマネージャーとして実用化に向けてリソースを集め、奮闘されたことは米国の経済誌、Forbesの2002年6月24日号に「Unsung hero in Japan」(リンク先)という記事で取り上げられるなど、良く知られるところです。

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