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HOME電子デバイスSCR大喜利 > 国内市場だけに目を向けていたら、プレゼンスの低下は避けられない

SCR大喜利

国内市場だけに目を向けていたら、プレゼンスの低下は避けられない

日本の車載半導体はどこまで強いのか【三ツ谷 翔太氏】

  • 2014/08/18 00:00
  • 1/2ページ

 半導体の技術と業界の今と未来を、さまざまな視座にいる識者が論じる「SCR大喜利」、今回のテーマは「日本の車載半導体はどこまで強いのか」である。

 日本の自動車産業が好調だ。こうした好調産業が国内にあることを強みにして、国内の半導体メーカーも、マイコンやパワー半導体など車載半導体を自社の事業の中核に据えて、地の利を活かそうとしている。確かに、ルネサス エレクトロニクスなどは車載マイコンの販売が好調で、直近の業績も好調だ。

 ただし、不安要素もある。まず何よりも、電子化と電動化が進む自動車の開発で、必ずしも日本の自動車メーカーが先頭を走っているとは思えないことだ。車載ネットワークの技術開発と標準化、車載用ソフトウェアの標準化、機能安全の標準化、48V電源への対応、SiCなど先進的なパワー・デバイスの利用、先進運転支援システム(ADAS)の実用化など、多くの点で欧州の自動車産業の先行を許している状態である。こうした欧州自動車メーカーの積極姿勢と標準化活動に、欧米の半導体メーカーが早い段階から関与し、技術開発と事業の足場固めをしている。そして、欧米のマイコン・メーカー、FPGAメーカー、パワー半導体メーカーが、日本の自動車メーカーに、深く食い込むようにもなった。

 日本の半導体メーカーが絶対に負けたくない市場が、車載半導体市場である。今回のSCR大喜利では、日本の半導体メーカーの車載半導体事業が、世界の半導体メーカーとの競争の中で、どのように活路を求めて行ったらよいのか探る。今回の回答者は、アーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏である。

三ツ谷翔太(みつや しょうた)
アーサー・D・リトル(ジャパン) マネジャー
三ツ谷翔太(みつや しょうた) 世界最初の経営戦略コンサルファームであるアーサー・D・リトルにて、エレクトロニクス産業を中心とした製造業に対する新規事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の立案支援、ならびに経済産業省を中心とした官公庁に対する産業政策の立案支援に従事。

【質問1】日本の半導体メーカーは、今後も車載半導体での強みを維持できるのか?
【回答】今日の産業構造のままでは弱体化が懸念

【質問2】日本の半導体メーカーが、車載半導体事業を維持・成長させるために、改善すべき点はどこか?
【回答】欧米における事業開発エコシステムへの積極関与

【質問3】海外の自動車メーカーを顧客とするために、日本の半導体メーカーは何をしたらよいのか?
【回答】新興国メーカー攻略に向けた事業モデルの転換

【質問1の回答】今日の産業構造のままでは弱体化が懸念

 車載半導体といってもその範囲は広い。近年は従来からあるデバイスに加えて、電動化の進展に伴うパワー・デバイスや、いわゆるコネクテッド・カー、インフォテインメントに向けた無線/センサー系デバイスなど、その範囲が広がっている。したがって、日本の中長期的強みを議論する際には、これら新領域においてどれほどの強みを構築・維持できるかが大きな論点だ。

 しかしながら、特にコネクテッド・カーなどで顕著であるが、これら領域は日系自動車メーカーよりも欧州系自動車メーカーがその先陣を切っている。また、例えば米Apple社や米Google社に代表されるようなIT系プレイヤの参入もあり、その開発戦況は複雑性を増している。このような状況下において、日系自動車メーカーも今後の展開方向性を模索している状況だ。

 これまでは、グローバル展開する強い日系の自動車産業が、国内エレクトロニクス産業を牽引してきた。こうした従来の産業構造に頼り切っていては、日本のエレクトロニクス産業全体としてのプレゼンス低下は避けられないのではないか。

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