自分の波長を再確認しよう

 いかがだろうか、開発を進めるとき、人間関係や事業の相性というのを、この波長で判断すると、案外、シンプルに決まるのではあるまいか。ああ、この人とは波長が合うと思えば、多少の問題は解決するし、逆に、波長が合わなければ、小さな問題も大きくなる。すなわち、理解できるかできないかは、お互いの波長とアンテナの感度で決まるのである。

 さてさて、こんなことを書いていると、人間は本当に電波を発信していると思うようになった。私たちのハートには見えない発信器があり、いつも電波を発信しているのではあるまいか。そして実は、これまた見えない受信機も備えられていて、自分と合う波長しか受信できないようになっているのに違いない。だから、同じ波長を受信すると、自動的にハートのスイッチがオンになり、自然に会話が進むのだ。

 さあ皆さん、自分の波長を再確認しようではないか。雑音はないか、波長に乱れや振れはないか、もしもあるようなら校正しよう。

 そうすると、波長の合う人が見えてくる。そして、波長の合う者同士があなたの周りに自然と集まって来て開発はバンバン進む。分かり合える者同士が、同じ方向に向かってまい進し、一丸となってリアルな開発ができるのだ。

 ところで、私の波長に乱れがあるかって? 冗談じゃない。私の電波は一直線、極超短波なのだから任せてほしい。指向性はレーザービームのように鋭いのだ。キリッ!

開発の鉄人”ことシステム・インテグレーション 代表取締役の多喜義彦氏は、これまでに3000件の開発テーマの支援に携わり、現在も40社以上の技術顧問などを務めている(システム・インテグレーションの詳細はこちら)。「リアル開発会議」では、多喜氏を指南役に、オープンイノベーション型の新事業開発プロジェクトを開始する(詳細はこちら)。