―― ご自身で電子工作をされているわけではないのですか?

モーニングで2014年4月10日に連載が始まった電子工作マンガ「ハルロック」 (c)西餅/講談社
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西餅 私は文系の人間で、今もArduinoの初心者キットで遊んでみたくらいです。ただ以前、務めていたのがオンラインゲームの事業者で、そのサポート部門で働いていました。いろんなグラフィックスボードやメモリーなどを差し替えてゲームの動作を検証する必要があり、自作PCの組み立てというレベルならメカになじみがありました。

 とにかく電子工作は何か面白そうだったので、IT系のエンジニアである夫に、メカに詳しいという同僚を紹介してもらって会いに行きました。その方のキャラクターがすごかったのもあるのですが、1度話を聞いただけで、もうすごく面白くて。文系の自分でも面白いと感じたので、後はそれをうまく伝えられればと考えました。今は、その方がこのマンガのブレーンになって、いつもネタの相談をしている状態です。

―― 作品ではLEDマトリクスの光らせ方など、どれも技術的にきちんと裏打ちされていて、そこも読んでいて楽しいです。どうやってストーリーを作っているのですか?

西餅 私は面白発明が好きで、いろんなアイデアが出てきます。私がアイデアを考えて、まずは夫に話をして、実際に実現できそうなものに絞ります。その後ブレーンに相談して、実際にどのボードでどんな風に作れるかを教えてもらい、作品に反映しています。

 逆に、文系の人間であることが強みだと思っています。できる、できないで判断すると、発想を止めちゃいますよね。バカバカしいこともいっぱい持っていくと「意外にそれもできるな」という話になったりします。

 主婦の友達とかもすごいですよ。この洗濯挟みで何ができるかを1日考えていたりします。