日経Linuxの安東一真デスクと日経エレクトロニクスの今井拓司編集長の2人による、マンガ「ハルロック」の作者・西餅さんへのインタビューの2回目。前回の番外編「電子工作は主婦の心をとらえるか」に続き、今回は本連載の筆者である安東デスクがお送りします。

 週刊漫画雑誌「モーニング」で2014年4月に連載が始まった電子工作マンガ「ハルロック」はご存じでしょうか。

 「天然」な女子大生が主人公で、Raspberry PiやArduino、PICなどを使った面白工作がたくさん登場します。連載第1話は「こちら」で、その基になった読み切り短編は「こちら」で読めます。単行本も第1巻が7月23日に発売されました。

 この話題の作品が生まれた背景を作者の西餅さんに聞いてきました。西餅さんの担当編集者さんによれば、ネットでの評判は非常に高く、テーマが斬新なのでものすごくプッシュしてくれるファンが多いそうです。


―― ハルロックでは、いつも秋葉原に通っている主人公の女子大生が、おかしな電子工作をして騒ぎを起こします。前作「犬神もっこす」では演劇がテーマだったのに、がらっと題材が変わりました。なぜ電子工作だったのですか?

西餅さん(自画像)
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西餅 ぼんやりしたアイデアの組み合わせから生まれたんです。

 まず、女の子とメカニックという組み合わせに憧れというか萌えのようなものを感じていました。あと、まぬけな発明、「なぜそれを作ったの?」と笑えるようなものが前から好きでした。

 そんななか、理系女子がいろいろと話題だと夫と話していて、電子工作はどうだろうと話になったんです。