フィールドサーバーの利用イメージ(出典:NEC)
フィールドサーバーの利用イメージ(出典:NEC)
[画像のクリックで拡大表示]

 フィールドサーバーは、主に屋外に設置し、温度や湿度、日照などのセンサーデータをクラウドコンピューターに集めるシステムである。ここ数年、スマートアグリを実現する手段として、農業分野での普及が見込まれている。

 農業分野では、「積算温度」と呼ばれる指標が重要な意味を持つ。種を蒔いてからの温度を継続して測定しておき、それを足し合わせた指標だ。花が咲くタイミング、実がなるタイミング、収穫に適したタイミングなどの目安になる。既に一部のハウス栽培農家は、ハウス内の温度を測って積算値を求めて、収穫作業の計画を立てるのに役立てているという。

 フィールドサーバーは、このようなフィールドのセンサーデータを農家がスマートフォンや自宅のコンピューターで活用する際の基本的なツールとなる。自身にも温度計などのセンサーを備え、農地やハウスの要所に設置したセンサーからのデータも有線または無線で集める。集めたデータを携帯電話網などの無線公衆データ通信網を使って、クラウドコンピューターに送る。広い農地や複数のハウスでは、複数のフィールドサーバーを分散配置し、バケツリレー式のマルチホップ通信で集約することも可能である。