今回の SCR大喜利は、「Intel社はIoTで逆襲を果たせるのか?」をテーマにして、議論していただいた。

 パソコン、ディジタル家電、スマートフォンと続く情報システムのダウンサイジングの流れの先にある、「Internet of Things(IoT)」に注目が集まっている。これまで電子システムとは縁遠かった、建造物、農業、ヘルスケアなどの分野で使う器具や道具もインターネットにつないで、これまで以上に大きく、キメ細かな情報システムを構築しようするものだ。
 
 このIoT向けの半導体デバイスで大きな市場を獲得すべく、米Intel社がさまざまな戦略・施策を打ち出し始めている。ただし、パソコン全盛期にダウンサイジングの立役者だったIntel社も、スマートフォンの時代に英ARM社に主役の座を奪われてしまった感がある。今回のSCR大喜利は、IoTの時代、Intel社に勝機があるのかを考えることで、IoT向け半導体市場の論点を洗い出すことを目的とした。

 質問は以下の3つである。

【質問1】
そもそもIoTは、Intel社が期待しているような半導体市場の成長をけん引する役割を果たすことができるか?

【質問2】
組み込み用マイクロプロセッサー市場においてARM社の強さが目立つ中、IoT向けでIntel社に勝ち目はあるのか?

【質問3】
Intel社がIoT関連で採っている戦略、施策で、妥当性を感じる部分、ピントはずれに感じる部分、発展性を感じる部分はあるか?

 回答者は以下の通り。

和田木哲哉氏
野村證券
「IoTは半導体を新たな発展に導くがIntel社の勝ちパターンには合わない」参照

田口眞男氏
慶應義塾大学
「プラットフォーム提供でリーダーシップを発揮することが成功の条件」参照

いち半導体ユーザー氏
某エンジニアリング企業
「端末側はARM社の天下、Intel社は基幹系に限定か」参照

服部 毅氏
服部コンサルティング インターナショナル
「エンドポイント向け戦略は場当たり的、真意はサーバー市場の死守」参照

南川 明氏
IHSグローバルTechnology
「QuarkやAtomではなく、IoTを支えるビックデータが事業の本命」参照

表1●回答のまとめ
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