フランスRenault社と日産自動車がこのほど、アライアンスによって2013年度に約4000億円に相当する相乗効果を生み出したと発表しました。前年度に比べて約6.7%の増加となり、過去最高を記録しました。

 相乗効果の増加に大きく寄与したのが、同グループの新たな車両開発手法「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」です。車両を大きく五つのモジュールに分け、これらを組み合わせることで多様なクルマを作るアーキテクチャーです。これまでの「セグメントごとのプラットフォーム」を一歩進めたものです。

 これまで自動車メーカー各社は、同じセグメントに属する車種間でプラットフォームを共通化して開発を効率化し、そこで削減したコストを新たな車両開発に投入してきました。しかし、こうした開発手法には限界が来ています。現在、各社が進めている取り組みには大きく分けて、Renault・日産グループなどの「部品のモジュール化」と、「セグメントをまたいだプラットフォームの共通化」という二つの流れがあります。

 これらの新たな車両開発手法は確かに、開発工数(人数×日数)を増やさずに多様な車種を作ることができます。開発リソースをこれ以上増やせないメーカー各社の事情を考えると、現実的で合理的な選択といえます。半面、“似たようなクルマ”が多くなり、個性がなくなってしまうリスクはゼロではありません。

 「制約の中で世界各地のユーザーニーズにいかに応えていくか」──。これが、自動車メーカー各社の“腕の見せどころ”といえます。こうした視点から今回、メーカーの次世代プラットフォーム戦略を取材しました。詳細は、7月30日発行の「日経Automotive Technology」最新号に掲載します。ご一読いただければ幸いです。