日経テクノロジーオンラインの技術経営とその関連サイト「アジア」「Japan Technology Next」「COLLEGE」に投稿された全ての記事(2014年6月30日~7月17日)のアクセス数ランキングは、人気連載「上海発EMS通信」から「iPhoneをロボットが造る日」が2位、「スマホで対立深める中韓」が3位にランクインした。

 「世界の工場」と呼ばれる中国。その強みのひとつに、先進国に比べて格段に安い人件費があったことは間違いない。だが、その中国でも経済成長にともなって人件費は上昇し続けている。2位の「iPhoneをロボットが造る日」は、中国に生産拠点を構えるEMS(電子機器受託製造サービス)/ODM(Original Design Manufacturer)の株主総会での質疑応答から、EMS/ODMが人件費上昇への対策として進めている生産自動化への取り組みを紹介する。人気連載「上海発EMS通信」からの1本である。

 例えば、EMS最大手の台湾Hon Hai Precision Industry社(鴻海精密工業)の香港上場子会社であるFIH Mobile社(富智康)は、自動化の推進でライン1本に配置する人数をかつての50~60人から30~40人へと削減。従業員数全体では2013年末の時点で6万3500万人と、2012年末から6500人減らしたことを明らかにしたという。

 「上海発EMS通信」からは、このほか「スマホで対立深める中韓」も3位にランクインした。中国のスマートフォン市場では中国メーカーが急速に台頭しつつあり、韓国Samsung Electronics社を中心とする韓国メーカーとの間で激しいシェア争いを展開している。そうした状況下で、中国メディアでは、製品の価格設定を含めてSamsung Electronics社の戦略を批判する報道が出ている。Samsung Electronics社が直近の四半期決算で9年ぶりの減収減益となったこともあって、「中国系ブランドの製品とほぼ同じスペックでありながら2~3倍も値段が高いSamsung Electronics社の携帯電話を中国の消費者が買うわけがない」という厳しい声もあるという。

 1位となった「日本のDRAM、『安すぎる』と非難され、やがて『高すぎて』売れなくなる」は、西村吉雄氏の人気連載「電子立国は、なぜ凋落したか」の1本である。同連載からは、7位に「Appleにも鴻海にもなれなかった日本メーカー」、9位に「分業を嫌い続けた果ての産業衰退」もランクインした。

 同連載は、書籍「電子立国は、なぜ凋落したか」にまとめられ7月14日に発売されたばかり。書籍は連載時の内容に大幅な加筆がなされており、より充実した内容となっている。同連載の愛読者だった方には、ぜひ書籍も手にとってお読みいただきたい。