半導体メーカーに、成長が期待できる市場を問うと、必ず以下の4つが挙がる。自動車、産業機器、エネルギー関連機器、そして医療・ヘルスケア機器だ。今回のSCR大喜利では、「日本の半導体メーカーが攻略すべき医療・ヘルスケア」をテーマに、日本の半導体メーカーの代表3社にフォーカスして、医療・ヘルスケア機器向け半導体市場をどのように攻略すべきか考えていただいた。

 医療・ヘルスケア分野では、CTやMRI、内視鏡といったものとは異なる、新しいタイプの医療機器の開発が望まれるようになった。医療現場で使われる機器だけではなく、家庭でも日々の健康状態を記録するような機器や、クラウドといったITと結びついて機能する機器など、さまざまな切り口から新しい医療機器が生まれてくることだろう。そして、新しい医療機器の創出・進化に向けて、半導体が貢献できる部分は数多くあると思われる。民生機器などに向けた半導体を転用するのではなく、医療・ヘルスケア機器に特化した新しい半導体が、大きな市場を獲得することがあるかも知れない。

ただし、一言で医療・ヘルスケア向け半導体と言っても、その応用機器、対象となる半導体は多岐にわたる。そこで今回のSCR大喜利では、論じる対象を、日本の半導体メーカー3社にしぼって、それぞれの特徴や製品、強みを基に新市場の創出・育成策を論じていただいた。

【質問1】東芝は、どのような医療・ヘルスケア機器に向けた、どのような半導体の、どのような強みを活かして市場を攻略すべきか?

【質問2】ロームは、どのような医療・ヘルスケア機器に向けた、どのような半導体の、どのような強みを活かして市場を攻略すべきか?

【質問3】ソニーは、どのような医療・ヘルスケア機器に向けた、どのような半導体の、どのような強みを活かして市場を攻略すべきか?

 回答者は以下の通り。

三ツ谷翔太氏
アーサー・D・リトル(ジャパン)
「医療機器向けは長期戦略が必須、らしさを追求した事業展開を」参照

大山 聡氏
IHSグローバルTechnology
「ゲーム機向けで培った技術は、ヘルスケア機器の普及・浸透を後押しする」参照

清水洋治氏
某半導体メーカー
「ウェアラブル機器の普及に乗って、ヘルスケア向け市場に切り込め」参照

表1●回答のまとめ
[画像のクリックで拡大表示]