望まれる規格や仕様の統一

 ここで課題となるのが、スマートメーターの規格や仕様の統一である。電力業界では実証試験などの進捗が異なる大手各社間で調整がつかず、東電の仕様と関西電力・九州電力の仕様の2種類に分裂してしまった。

 ガスや水道でのスマートメーター導入において、電力と同様の仕様や規格に合わせるのか、それぞれ異なる仕様とするのか――。それによって導入コストやデータ処理の利便性などで結果に大きな差が出てくると予想される。

 欧米の先行事例を見ると、例えば電気とガスあるいは電気と水道で同時にスマートメーターを導入するといった事例も多い。これらの地域で電力事業やガス事業を同一の企業や地方自治体が手掛けている、という事情も影響している。

 そういった事情が当てはまらない日本では、政府や業界団体などが指導力を発揮して、電気・ガス・水道の3つのインフラで「車輪の再発明」をできる限り避ける必要があるだろう。

この記事は日本経済新聞電子版のエネルギー分野のコラム「エネルギー新世紀」から転載したものです。