「Intel社はIoTで逆襲を果たせるのか?」をテーマに、同社の戦略や施策を考える今回のSCR大喜利、3回目は半導体ユーザーからの観点から回答を頂いた。いち半導体部品ユーザー(ペンネーム)氏を回答者として招き、以下の三つの質問について聞いた。

いち半導体部品ユーザー
某ICT関連企業
ICT関連企業で装置開発に必要な半導体部品技術を担当。装置開発側の立場だが部品メーカーと装置開発の中間の立場で両方の視点で半導体部品技術を見ている。

【質問1】そもそもIoTは、Intel社が期待しているような半導体市場の成長をけん引する役割を果たすことができるか?
【回答】IoTが半導体市場をけん引するのは、確実というよりも、今のところそれしか残っていない

【質問2】組み込み用マイクロプロセッサー市場においてARM社の強さが目立つ中、IoT向けでIntel社に勝ち目はあるのか?
【回答】ARM社がすでに台頭している中、Intel社には勝機は少ない

【質問3】Intel社がIoT関連で採っている戦略、施策で、妥当性を感じる部分、ピントはずれに感じる部分、発展性を感じる部分はあるか?
【回答】Quarkは結局ARMの二番煎じであり、ARMと戦うには弱い

【質問1の回答】IoTが半導体市場をけん引するのは、確実というよりも、今のところそれしか残っていない

 これまではパソコン(PC)やスマートフォン、タブレット端末が大きな市場を作ってきたが、今後大きな市場の成長は期待できない。自動車関連や産業機器、ロボットなどは、今後市場拡大は期待できるが、爆発的に伸びるかはまだわらない。限定的になる可能性もある。したがって、市場成長を期待できるアプリケーションは、IoTの分野しか残っていない。期待するという状況よりむしろ成長させなければならない。あらゆる物に取り付けるための膨大な数のエレメントと、それらと情報をやり取りする相当な数のゲートウェイ、さらにはビッグデータを処理するための基幹装置と半導体市場は何倍にも成長すると考える。ただし、事業採算性は半導体メーカーの儲け方(ビジネスモデル革新)次第とも考える。