「The Machine」は米Hewlett-Packard(HP)社が米国時間2014年6月11日、米Las Vegasで開催された「HP Discover Conference」において発表した次世代コンピューターの開発プロジェクトである。

 キーとなるテクノロジーは大きく3つある。第1は、用途別に最適化したSoCで性能向上と省エネルギーを同時に達成する「Energy and Algorithm Optimized Systems on Chip」。第2は、DRAM並みのアクセス速度とHDD並みの容量単価を併せ持つ不揮発性メモリーの採用で、階層ストレージ間のデータ転送を減らして性能を向上させる「Universal Memory」。そして第3が、データセンターのネットワークファブリックからラック内のインターコネクト、さらにチップのパッケージ内にまで光ベースの通信を採用する「Photonics and Fabrics」である。

 HP社のサーバー部門における最高技術責任者であるKeith McAuliffe氏(Vice President Chief Technology Officer Industry Standard Servers and Software)は2014年7月2日、日本HPが主催する技術者コミュニティ「HP Tech Power Club」設立記念イベントの基調講演「サーバーテクノロジーの今と未来 ~ The Machineで世界を変えるエンジニアへ ~」に登壇(写真1)。The Machineのコンセプトを解説した。

写真1●HP社のサーバー部門における最高技術責任者、Keith McAuliffe氏
写真1●HP社のサーバー部門における最高技術責任者、Keith McAuliffe氏
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 McAuliffe氏によると、The Machineを構成する3つのテクノロジーは「すべてが同期しながら開発されているわけではない」。例えば、性能向上と省エネルギーを達成するSoC技術は「HP Moonshot System」という既存のサーバー製品が、すでに一部採用している。将来的にはSoC、Universal Memory、Photonics and Fabricsを全面的に採用した次世代コンピューターが新しいブランドで登場する可能性はあるが、それとは別にThe Machineプロジェクトで開発された技術は、既存のサーバー製品にも順次採用されることになる。