ハコスコ
ハコスコ
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ハコスコの樹脂製レンズ
ハコスコの樹脂製レンズ
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Ocufesのイベント会場(2014年6月24日撮影)
Ocufesのイベント会場(2014年6月24日撮影)
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Ocufesのイベントに出展された、あるしおうね氏の「キス彼女」。Oculus Riftに表示されるCGの彼女とのキスを体験できる。くちびるを模した赤いグミが付いている。
Ocufesのイベントに出展された、あるしおうね氏の「キス彼女」。Oculus Riftに表示されるCGの彼女とのキスを体験できる。くちびるを模した赤いグミが付いている。
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組み立て前のハコスコ。部材となるダンボールは2枚。説明書と共に黒い封筒に収められていた。
組み立て前のハコスコ。部材となるダンボールは2枚。説明書と共に黒い封筒に収められていた。
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ハコスコ体験中のI編集長
ハコスコ体験中のI編集長
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Cardboard project のWebサイト
Cardboard project のWebサイト
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 やって参りました、ご好評のダンボールシリーズ第2弾。えっ、ご存じない?まあ、第1弾のダンボールカメラを取り上げてから2年以上経ちましたし、それも仕方がありません(関連記事1)。今回取り上げるのは、ダンボール製のヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)「ハコスコ」です(ハコスコのWebサイト)。ハコスコは、「SR(substitutional reality:代替現実感)システム」で著名な理化学研究所の藤井直敬氏が開発したもので、同氏が代表取締役を務めるSR Laboratoriesが販売しています(関連記事2)。

 ハコスコの筐体はダンボール製。スマートフォンを差し込んで利用します。映像表示やモーションセンシング、各種演算などといったHMDの主機能については、スマートフォンで実行します。Google Glassをはじめとするここ2、3年で登場した小型のHMDの多くが、スマートフォンの部材を基にしています。ダンボールHMDは、こうした現状から一歩踏み込み、スマートフォンそのものをHMDにしてしまったというわけです。

 スマートフォンの格納部と、ユーザーの目の間には、専用の樹脂製レンズがあるだけのシンプルな構造です。その分、お値段も1000円ポッキリと安い。外形寸法は180mm×140mm×70mmで、スマートフォンを除く重さは55gと軽量です。ただし、頭部への固定部材などはないので、手で支えながら映像を見ます。

 ハコスコの対応機種は、2014年6月末現在、iPhone 5s/5c/5です。専用のアプリ「SR Viewer」をスマートフォンにダウンロードすれば、ハコスコで360度の全天球映像を見られます。スマートフォンのモーションセンサーを利用して頭の動きを検知し、その動きに応じて映像の表示を切り替える仕組みです。首を右に回せば、右側の映像がきちんと見えます。専用アプリは現在プロトタイプで、公式版は2014年9月のリリースを予定しているとのことです。

 このハコスコを入手したのは偶然でした。出会いは2014年6月24日に開催されたイベントの会場。米Oculus VR社のHMD「Oculus Rift」を利用したアプリなどを開発している人々の団体「Ocufes」が主催したものです(OcufesのWebサイト)。その会場で、さまざまなアプリを体験しようとしたところ、藤井氏の姿を見かけたので、筆者がそばまでいくと、ハコスコのデモと販売をしていたというわけです。筆者はそこで思わず購入。イベントの終了前には、ハコスコは既に売り切れるほどの人気ぶりでした。

 翌日、編集部にハコスコを持っていったところ、ここでも大人気。記者時代は「Mr.HMD」と呼ばれた(?)HMDにうるさいI編集長もご満悦の様子でした。

 偶然にも、その後に開催された開発者会議「Google I/O 2014」ではハコスコのようなダンボール製HMDを作る「Cardboard project」が発表されました( Cardboard project のWebサイト)。Cardboard projectのWebサイトで設計図などをダウンロードすれば、ユーザーが自作できます。あとは専用アプリをダウンロードしたAndroid端末を格納すれば、VR映像を見られます。

 価格が約300米ドルのOculus Riftが登場したとき、VR用のHMDにも価格破壊の波が訪れたなぁ、と関心を寄せていましたが、ダンボール製HMDは金額的にそれを上回るインパクトです。

 今回購入したハコスコですが、2014年7月30日と31日に開催するセミナーで展示したいと思います(セミナーの紹介サイト)。その他にも、さまざまなHMDが展示される予定です。Oculus Riftの他、セイコーエプソンの「MOVERIO BT-200」や和製Google Glassといわれる「inforod」などです(関連記事3関連記事4)。

 同セミナーでは、HMDではありせんが、メガネ型のウエアラブル端末に関する講演や展示も実施します。装着者の疲れや眠気などを可視化するジェイアイエヌの「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」や、スマートフォンからの情報をアンビエントに伝達する「雰囲気メガネ」です(関連記事5関連記事6)。ご興味のある方、ぜひご参加ください。