連載主旨
 市場競争が厳しくなる昨今、新しい価値を創造し、社会へ送り込むことは、企業の生き残りをかける術として必要不可欠になっています。研究開発部門は、その担い手として、イノベーション(新しいチャレンジ)の必要に迫られています。
 しかしながら一方では、「技術の追求による性能向上を主眼とした製品開発ばかりになってしまう」「新しい製品開発につながる良いアイデアが思い付かない」といった技術者の声をよく耳にします。また、新たな製品開発を始めようとしても、新規性が高いことからその実行に向けた社内の障壁は高く、製品化に至らないといったケースも多く見られます。
 この連載では、イノベーション(新しいチャレンジ)にはどんな壁があるのか、またそれらの壁をどう乗り越えていけばいいのか、について解説していきます。
村山 誠哉(むらやま せいや)
iTiDコンサルティング シニアマネージングコンサルタント、技術経営修士(MOT:Management of Technology)
芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科修士課程修了。大手輸送用機器メーカーの研究開発部門を経て現職。素材、自動車、自動車部品、精密機器、食品、美容業界と多岐に渡る業界にて「顧客の声を聞くだけではヒット商品は生まれない」をモットーに、クライアントの要素技術を生かした新規事業・新商品企画支援を多数実施。その他にあるべき姿に向けた業務プロセス改善などのコンサルティング、問題解決力、発想力、行動観察、ロジカルシンキングなどのセミナー・研修講師としても活躍中。
那須 隆志(なす たかし)
iTiDコンサルティング マネージングコンサルタント
大分大学大学院工学研究科修了。グロービス経営大学大学院経営研究科修了。大手電機メーカーにて、液晶プロジェクターやテレビの開発に従事。業界初の液冷システムの開発や業界薄型プロジェクターを実現するための放熱システム設計などに携わる。その後、電通国際情報サービスへ入社し、CAEを活用した熱設計のコンサルティングやPLM導入のための業務改革に携わる。iTiDコンサルティングへ参画してからは、開発プロセスの効率化に加え新しいビジネスを創造するための支援として、新規事業立案プロジェクトや経営ビジョン実現のためのマネジメントシステム改革などに携わる。
矢吹 豪佑(やぶき ごうすけ)
iTiDコンサルティング マネージングコンサルタント
同志社大学工学部卒業。大手輸送機器メーカーにて生産技術職に従事し、大規模プロジェクトの工程設計・生産準備を多数経験。その後、iTiDコンサルティングに参画し、大手自動車、重工業メーカーを中心に先行開発プロセス効率化、不具合未然防止プロセス定義、設計者の自律を実現する人材育成支援などを展開。開発力向上に役立つ情報発信も行っており、日経テクノロジーオンラインでも連載コラム「実践! 進化型すり合わせ開発」を執筆。
前田 直毅(まえだ なおき)
iTiDコンサルティング マネージングコンサルタント
慶應義塾大学法学部卒業。大手システムインテグレーターに入社。大規模システム開発や新商品開発に従事した後、管理部門での生産性改善・品質改善など社内向けコンサルティング業務を経てiTiDコンサルティングに参画。特に製造業の製品開発領域に特化して、医療機器、農業機械、精密機械、産業機器など様々なメーカーで業務改革活動の推進、人材育成、新商品開発の支援など顧客の課題解決に従事。実績多数。顧客と共に結果を出すコンサルティングにこだわり、日々、奮闘中。
大屋 雄(おおや ゆう)
iTiDコンサルティング シニアコンサルタント
京都大学理学部、奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科修了。大手電機メーカーにて、CMOSセンサーの開発に従事し、世界初の携帯電話用5Mピクセルセンサー、HDカムコーダー用センサーのデバイス設計を行った。その後液晶プロジェクターの開発に携わり、小型から大型まで5機種の設計とプラットフォーム開発、中国での設計立ち上げを行った。日本の製造業をより強くしたいとの思いから現職へ転身し、自動車・電機・素材メーカーなど、幅広い業界において新商品立案や業務改善支援を行っている。