『安東一真の「楽しい電子工作を始めよう」』の番外編として、マンガ「ハルロック」の作者・西餅さんへのインタビューを掲載します。ハルロックは、「天然」な女子大生が電子工作にのめり込んでいくマンガです。連載の基になった読み切り短編はこちら、連載第1話はこちらで読めます。本連載の筆者である日経Linuxの安東一真デスクと、日経エレクトロニクス編集長の今井拓司の二人で取材してきました。

 この番外編では、主に今井が聞いた内容をご紹介します。安東デスクのインタビュー記事はこちらに掲載しています。ちなみに、インタビューの最後に出てくる「自分でも欲しい装置」は、2014年6月26日発売のモーニング2014年30号に登場したもののようです。今回のインタビューは、日経エレクトロニクスの特集「全員開発者の時代」の取材の一環です。同記事はこちらで、2014年7月31日まで無料公開中ですので、あわせてお読み下さい。

--「ハルロック」は電子工作をしない人でも楽しめて、実際にやってみたいと思う人も出て来そうですね。

西餅さん自画像
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西 自分もそうですけど文系の人間は、理論から入って、はい電子回路、なんとかの法則って言われても、もうすごいアレルギーを起こしてしまって、できない、計算式とかできないできない、って思っちゃうんですけど、(Raspberry PiやArduinoのように)オープンソースでパッと書き込んでできますよって言うんだったら敷居が低い。まずは理論・理屈から入るんじゃなくて、作りたいものがあって、具体的にこうすればすごい簡単に動きますよ、っていうのを話の中で伝えられて、全然興味のなかった人も、ちょっと安いし買ってみようかなという気になっていただければな、と。

--作中でArduinoやRaspberry Piを「第二の産業革命を起こすとも言われている」と書かれてますが、我々はあながちない話ではない、こういうものをベースに一般の人が作ったものが世の中を変えていくかもしれない、と考えているんですけど、そういう感触はありますか。

西 とてもやりやすい環境にはなってるんだろうな、敷居が下がったのかなという気はしていて、そうなると女性とか、例えば主婦がアイデアだけでも出してっていうインフラのようなものができて、作る人達がいて、もうちょっと近づくといったことはなくはないだろうなと思います。