3Dプリンターで拳銃を作った大学職員が逮捕された(2014年5月)のは記憶に新しい。個人が危険なものでも造形できるのは3Dプリンターの負の面だ、などと大きく注目された。同職員は、海外で公開された3Dデータをダウンロードして造形したと報道されている。

 「別に3Dプリンターでなくても、個人が銃を作る方法はこれまでもあったのだから、3Dプリンターだけ大騒ぎするのはおかしい」という指摘もあるが、樹脂で作れば金属探知機で検出できない分、始末に負えなくなる面はある。コピー機や複合機には偽札を作成できない仕組みが組み込んであるのと同様、3Dプリンターにもメーカーの責任において、危険なデータの出力を抑える機能を付けることが必要ではないか、という意見が出てきた。

 折りしも、大日本印刷がこのような危険物や、著作権侵害の恐れのある模造品を造形できないように、3Dデータをチェックする「セキュリティー・プログラム」を発表した。例えば、拳銃のデータと似ている形状のデータであると判定したら、造形できないようにする、という仕組みだ(図1)。

大日本印刷のセキュリティ-・プログラムの概要
図1●大日本印刷のセキュリティ-・プログラムの概要
同社プレスリリースから。