日経テクノロジーオンラインの記事の一部は、英語や中国語に翻訳され、世界に向けて発信している。今回、中央大学が開発したSSD高速化技術を紹介した記事が、日本よりも世界で読まれていることが判明した。
右の表に、「半導体デバイス」、「半導体製造」、「EDA・ソフトウエア」、「アナログ」、「電子部品」というテーマサイトに投稿した全記事のうちで、2014年5月12日~6月8日にアクセス数が多かった上位20の記事をまとめた。このランキングで初めて英語サイトに掲載した記事がトップになった。
そのタイトルは「New Middleware Technology Quadruples SSD Speed」である。オリジナルの日本語の記事は今回のランキングの10位。そのタイトルは「データ断片化の影響を抑えてSSDを高速化する技術、中央大学が開発」である。
紹介されたのは、データベース・アプリケーション向けのストレージを制御するミドルウエアに工夫を加えることでデータ断片化を防ぐ技術。この技術によってNANDフラッシュメモリー・ベースのストレージ(SSD)の書き込み速度や消費電力、書き換え可能回数(寿命)を大幅に改善できるという。
開発したのは、中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科 教授の竹内健氏らのグループである。同グループは、技術の詳細を半導体メモリー技術に関する国際学会「2014 IEEE International Memory Workshop (IMW)」(2014年5月18~21日、台北)で発表している。この学会の聴講者がググるなどして、ランキング1位を獲得したと思われる。
ちなみにランキング1位の英語版の記事はFacebookの「いいね!」を752票を獲得し(この記事の執筆時点、以下同)、Tweet数は202に上った。ランキング10の日本語版の「いいね!」は95票、Tweet数は22だった。
続いて、よく読まれたのが、期間限定で日経テクノロジーオンライン会員の方全員に公開した3次元LSIをテーマにした記事群である。2部構成で、第1部の「スマホ用LSIの失敗に学ぶ、コスト障壁を越える方法」(現在は、日経テクノロジーオンライン有料会員向け)が今回のランキングの2位、第2部の「コストを下げて民生機器へ、TSVの製造技術を革新」(現在は、日経テクノロジーオンライン有料会員向け)が、同4位になった。
限界が近いと言われているMooreの法則、その打開策(More than Moore)の1つが3次元実装である。第1部では一番手として期待されていた「Wide I/O」が陽の目をみなかった理由、その進化とも言える「Wide I/O 2」の可能性について論じている。なお、1部も2部も日経エレクトロニクス 2013年9月16日号の特集「3次元LSIは消えたのか」がオリジナル記事で、日経エレクトロニクス Digitalご購読の方はこちらからアクセスできる。