電解装置と燃料電池で平準化
当日の運用では、EDFに提出した系統網への予測曲線に基づき、実際の発電が予測曲線を上回った場合には、その差分の余剰電力を使って水を電気分解して水素と酸素を製造し、タンクに貯めておく。逆に発電が下回った場合には、タンクに貯めておいた水素と酸素を使って燃料電池で発電して系統網に供給する。
例として、晴天だった2013年7月16日のデータを基に運用を見てみよう。前日にEDFに提出した平準化と台形化を施した系統網への供給電力の予測カーブが、図3の赤線である。
当日の太陽光発電の出力曲線が薄い青であり、午前7時頃に発電が始まって徐々に上がっていき、正午ごろにピークを迎え、徐々に出力を下げて午後7時ごろに発電が止まる。この日は当初予想より好天で、予測曲線よりもおおむね発電量が多かった。そこで、余剰分を水の電気分解に回し、実際に系統網に流した電力のカーブが図中の濃い青線になる。
やや変動は残っているものの、ほぼ予測線に近い動きになっており、平準化の実証は計画通りに進んでいるとPoggi氏は見る。今後さらに平準化プロセスを改良するとともに、実ビジネスへの展開も狙っているという。