花王で「アタック」や「レイシャス」などの開発に携わった美崎栄一郎氏が、特定の商品がヒットした理由をひも解いていく連載「ヒットの謎解き」。雑誌『日経ものづくり』との連動企画で、Web版では雑誌に盛り込めなかったこぼれ話などを掲載していく。第6回のテーマは、東京駅丸の内駅舎を舞台に開催されたプロジェクションマッピングのショーと、その映像を小さな菓子箱の中で再現できる食玩「ハコビジョン」だ。

 本連載の雑誌版(有料会員向けPDF購入)では、2012年12月に東京駅丸の内駅舎で実施されたプロジェクションマッピングのショー「東京ミチテラス2012 TOKYO HIKARI VISION」(ネイキッド演出)が、車道まで人があふれるほどの大ヒットを飛ばした理由をひも解きました。ヒットした背景には、人々の心を動かす「物語性」があったこと。そして、その物語に感動したバンダイの食玩開発担当者が、菓子箱の中でショーを再現できる食玩「ハコビジョン」を開発。発売前の段階で、計画販売数の10倍を超える予約が寄せられるほどの大ヒットを飛ばしたことも取り上げました。

「東京ミチテラス2012 TOKYO HIKARI VISION」
「東京ミチテラス2012 TOKYO HIKARI VISION」
宇宙で光が生まれてから地球の自然が創られ、人類を育み、文明を形づくるまでの壮大な物語。写真はハコビジョンで上映したもの。

 今回のWeb版では、プロジェクションマッピングとハコビジョンの関係性を、ビジネスの視点からもう少し詳しく見てゆくことにします。実はここに、コンテンツで稼ぐ上で重要な「ヒットのポイント」がありますので、雑誌版を読んだ方もぜひお読みいただければと思います。