エネルギー
 

燃料電池の白金触媒

FCVの大衆化には使用量削減が必須

富岡 恒憲=日経テクノロジーオンライン
2014/06/03 00:00
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 2015年、トヨタ自動車やホンダがコスト低減を進めた燃料電池車(FCV)を発売する(図1)。だが、その価格は数百万円と言われており、大衆車の域まで持っていくことは難しそう。実際、トヨタ自動車の竹内仙光氏は、2014年5月21~23日開催の「自動車技術会2014春季大会」の中で次のような主旨の発言をした。「(トヨタ自動車は)2015年にコスト低減の進んだクルマ(FCV)を発売する。しかし、(FCVを)大衆化させるには、もっとコスト低減が必要だ」。

図1●トヨタ自動車の燃料電池車のコンセプトカー「FCV CONCEPT」の車台
「人とくるまのテクノロジー展2014」に出展したもの。
[画像のクリックで拡大表示]

 FCVの低コスト化で最後のボトルネックになりそうなのが、燃料電池の触媒に使われている白金(Pt)の使用量を低減することである。FCVの大衆化に向けて低コスト化をさらに進めていった場合に、「最終的に残るのが白金の使用量削減になる」(トヨタ自動車 技術統括部 次世代車推進グループ 主査で担当部長の折橋信行氏)。FCVにとって「白金はいずれは減らすかなくさなければならない」(同氏)ものであり、白金の使用量削減は避けて通れないといえる。

* トヨタ自動車 技術統括部 次世代車推進グループ 主査で担当部長の折橋信行氏によれば、同社では、FCVの低コスト化に向けて次の5つを軸と考えている。その5つとは、(1)部品の簡素化・廃止、(2)量産部品の流用、(3)部品構造の簡素化、(4)材料費の低減、(5)製造方法の改善、である。FCVの燃料電池における白金(Pt)の使用量低減は、このうちの(4)に該当する。同社では、2015年に発売予定のFCVでもこの5つを軸に低コスト化に取り組み、燃料電池システムのコストを、同社FCVの2008年モデルである「FCHV-adv」の1/20以下に抑えた(関連記事)。

 では、なぜ白金の使用量を減らさなければならないのか。それは、白金が高価な材料だからだ。白金の価格は、東京商品取引所の相場表では4850円/g強(2014年5月23日時点)。FCVにおけるその使用量は、『日経エレクトロニクス』2014年1月20日号特集「発電所がやってくる」によれば1台当たり数十gという。また、2008年1月23日の「NEDO海外レポート」(No.1015)によれば、出力80kWの小型車で32g、同150kWの中型車で60g、同250kWの大型車で150gという。1台当たり50gとしても、白金は原材料費だけで24万円以上となる。このため、FCVの大胆な低コスト化を実現するには白金の使用量低減は欠かせない。

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