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HOMEエネルギー未来を読み解く技術大全 > いかにして、空気から燃料を作り出すか

未来を読み解く技術大全

いかにして、空気から燃料を作り出すか

人工光合成:循環型エネルギー社会の実現を目指す未来技術

  • 星野 達也=ナインシグマ・ジャパン
  • 2014/05/30 00:00
  • 1/4ページ

 今年も暑い夏がやってくる。最近の真夏の猛暑は耐え難いものがあるが、地球温暖化の影響で今後も日本の気温は上がり続けると言われている。環境省の報告書によると、日本の年平均気温は、今世紀末には、いまに比べて2.5~3.5℃上昇するそうだ。

 例えば、気象庁発表の都道府県別平均気温を見てみると、2008年に東京は16.4℃。仮にこれが3℃上昇すると19.4℃となる。現在の鹿児島の18.7℃を抜くこととなり、屋久島と同程度になる。平均気温の予測通りになれば、80年後には、東京が亜熱帯となるのである。

 地球温暖化の原因は二酸化炭素(CO2)の排出との見方が強く、化石燃料の消費に依存している身としては心苦しく感じる。こうしている間にも、日本国内だけで、国民一人当たり毎日6リットル分の石油が消費されているそうである。化石燃料を消費し、二酸化炭素を排出する活動はどこまで続くのか。なかなか枯渇しない石油をよそに、今度はシェールガスブームとなり、さらにはメタンハイドレートにも注目が集まる。

エネルギー問題の解決策は「帯に短し、たすきに長し」

 いずれのエネルギーも地中に存在する過去の蓄積を食いつぶしてエネルギーに変える営みであり、有限資源である以上は、いずれ枯渇する。代替として、太陽光電池や風力発電など、再生可能エネルギーに関する研究も進んでいるが、日本の総発電量に占める割合は今のところわずか1.6%であり、短・中期的には化石燃料を代替するエネルギーになるとは思えない。

 注目のバイオ燃料はどうか。さとうきびにせよトウモロコシにせよ栽培する必要がある。そのためには農業機械を動かし、肥料や農薬を投入するにはエネルギーが必要である。バイオ燃料自体はカーボンニュートラルであっても、生産から消費までのすべての過程を通じてみれば、追加的な二酸化炭素が放出されている可能性は否定できない。

 加えて、地球上の全耕地面積でバイオエタノールの原料を栽培しても、現在消費されているガソリンを置き換えることができないことや、副次的に生じる食糧問題などの大きさを考えると、バイオ燃料を中心的な代替燃料として想定することは適当ではないという意見も根強い。

 そのような状況下、「空気から燃料を作ってしまおう」という発想の研究が進んでいる。いわゆる「人工光合成」と呼ばれる技術だ。ヒントは身近にある植物である。植物は、光合成によって太陽光と二酸化炭素、水からブドウ糖を生成する。ブドウ糖は、醗酵させればエタノールのような燃料となる。人工光合成は、このプロセスを人工的に行うことを目指した技術である。

パナソニックが2012年7月に発表した人工光合成システムの動作写真。写真左が光電極、右が金属触媒。金属触媒容器中の渦状の変色部が二酸化炭素の反応を示している

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