Tech-On!が日経テクノロジーオンラインへ2014年4月1日に進化し、全体の構成も変った。半導体デバイスや半導体製造、電子部品、アナログ、さらに開発で使うEDAツールや組み込みソフトウエアを「デバイス」というカテゴリーにまとめた。日経テクノロジーオンラインの各ページの上部に水平方向に並ぶリボンの左側から5番目に、「デバイス」がある。
日経テクノロジーオンラインとテーマサイト「デバイス」の誕生の記念に、2014年4月下旬に有料会員向けの「デバイス」関連コンテンツを、日経テクノロジーオンラインの全会員に期間限定で公開した。それらのコンテンツは多くの会員の方に読んでいただき、今回の記事ランキングの上位に並んだ。ランキング表には、「半導体デバイス」、「半導体製造」、「EDA・ソフトウエア」、「アナログ」、「電子部品」というテーマサイトに投稿した全記事のうちで、2014年4月15日~5月11日にアクセス数が多かった上位20の記事をまとめた。
終わらぬリストラ
今回の1位は、「終わりの見えない、空前絶後の大リストラ」というタイトルの記事(日経テクノロジーオンライン有料会員向け記事)だった。記事によれば、2011年以降、勤務先を問わず個人で加入できる労働組合「東京管理職ユニオン」を、電機業界の名だたる大手企業の技術者たちが頻繁に訪問するようになったという。
その訪問者はまだ続くようだ。国内半導体メーカーのリストラは終わっていないからだ。2014年5月9日に2013年度(2013年4月~2014年3月)の決算を発表したルネサス エレクトロニクスは3期ぶりに営業黒字に転換したが(日経テクノロジーオンライン関連記事)、同社 代表取締役会長兼CEOの作田久男氏によれば、構造改革は全体の4合目に来た段階だという。これまでは主に生産拠点の統廃合を進めてきたが、2014年度は設計開発機能の統合と設計拠点の統廃合を進めるとする。
第1位の記事は日経エレクトロニクスの2013年11月11日号の特集記事「半導体技術者、越境のとき」の導入部である。同特集の第1部「実態:転職の「壁」にぶち当たる、電子立国の立役者たち」(日経テクノロジーオンライン有料会員向け記事)は今回のランキングの2位に、第2部「転機:今こそ殻を破るとき、広がる技術者のフィールド」(日経テクノロジーオンライン有料会員向け記事)は今回のランキングの8位に、そして第3部「企業の人材戦略:来たれ中途技術者、成長企業は人材獲得に動く」(日経テクノロジーオンライン有料会員向け記事)は今回のランキングの5位になった。
いよいよ終わりか微細化
半導体メーカーのリストラとは反対に、終わりが見えてきて懸念が広がっているのが半導体プロセスの微細化である。今回の誕生記念では、半導体情報を網羅したオンラインサービスである「日経BP半導体リサーチ」が掲載した、微細化が止まる時期や止まった場合の影響を予測する記事を、期間限定で日経テクノロジーオンラインの全会員に無償公開した。それを紹介するコンテンツが今回のランキングの6位になった。
日経BP半導体リサーチでは4人の識者の予測を掲載している。そのうち最も読まれたのが微細加工研究所 所長の湯之上 隆氏の予測(日経BP半導体リサーチ会員向け記事)で、今回のランキングの7位に入った。同氏によれば、半導体の微細化は人類が滅亡するまで続く、ただし、その微細化のペースは遅くなる。次に読まれたのが慶應義塾大学 特任教授の田口眞男氏の予測(日経BP半導体リサーチ会員向け記事)で、今回のランキングの10位に入った。同氏によれば、2020年ころに、配線部分を微細化してもチップ性能が向上しないことが明らかになって、微細化は止まるという。