「機密情報の漏えいを防ぐことは可能か」をテーマに、日本の半導体関連の企業や技術者が置かれている現状と機密情報の取り扱いの在り方を論じるSCR大喜利。第2回目の今回は、技術を開発・保有する当事者としてのメーカー、客観的に半導体業界を見るアナリスト、異なる視座でのキャリアを持つIHSグローバルTechnologyの大山 聡氏の登場である。
各回答者には、以下の三つの質問を投げかけた。
IHSグローバル Technology 主席アナリスト
1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年より現職で、二次電池をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。
【質問1の回答】事故による漏えいなら防げるが、意図的な漏えいを防ぐのは困難
事故なら原因を究明して対策を立て、再発防止に努めることは可能だ。しかし、意図的な漏えいを物理的に防ぐことは不可能。機密情報にアクセスできる人物、あるいはアクセス方法を制限するなど、漏えいの危険度を極力引き下げることが現実的と考える。機密情報に対するアクセスの履歴を徹底管理することで、漏えい発覚後に被疑者を容易に特定できることを周知させる工夫も有効であろう。しかし「防ぐ」ことはできない。