2013年9月に見事に打ち上げ成功を果たした国産新型固体燃料ロケット「イプシロンロケット」関連記事12)。その3号機に搭載する宇宙機(人工衛星、探査機、宇宙船、宇宙ステーションなど宇宙空間で使用する人工物の総称)の提案・選定が進められ、2014年4月の段階で4つに絞り込まれたことが、「日本地球惑星科学連合2014年大会」で明らかにされた。現在、残されているもののうち、3件は惑星科学分野のもの。そのうちの1つが「深宇宙探査技術実験機『DESTINY』」である*1図1)。

*1 選定を進めているのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所(ISAS)。最終選考は、2014年7月に実施される見込みだ。DESTINY以外では、「小型月着陸実験機『SLIM』」「小型宇宙科学衛星を使ったペネトレータ惑星内部構造観測システム」などが候補に残っている。

図1●深宇宙探査技術実験機「DESTINY」のイメージ画像
画像:DESTINY WG
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 ところで、深宇宙探査技術実験機とは何か――。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によれば、深宇宙とは月以遠の宇宙のことだ。その深宇宙へ探査にいくのが深宇宙探査機。深宇宙探査技術実験機は、そうした深宇宙探査機の実現に向けて工学的な見地から技術を実証するための実験機だ。