「MEDTEC Japan 2014」(2014年4月9~11日に東京ビッグサイトで開催)で、医療機器の設計・製造において国内企業による革新的な製品を表彰する「MEDTECイノベーション大賞」が発表され、「超軟質心臓シミュレーター」〔クロスエフェクト(京都府)〕が最高位の大賞を受賞したそうです。患者のX線CT装置のデータを基に心臓の内部までを精密に再現しており、術前のシミュレーションや執刀訓練に用いるとのこと。このニュースが日経テクノロジーオンライン(Tech-On!)のテーマサイト「設計・生産」におけるこの1カ月間(4月10日~5月6日)のアクセスランキングの10位に入りました。
同じくMEDTECのニュースで14位に入ったのが、拍動する心臓の3Dモデルを仏Dassault Systemes社が開発したという記事。有限要素法を用いて挙動を細かく計算しているもので、あらかじめ動きを定義しているわけではないそうです。「現在のところ、有償か無償かを含めてどのような提供形態になるかは決まっておらず、国際的に展示会などでニーズの把握に努めているところ」とか。心臓のリアルなモデル、バーチャルなモデルの両方がランキングに入ったわけです。
ランキング上位の1位、2位は好調の連載「R&Dマネジメント 成功事例と失敗事例」の記事でした。13位も同連載の記事です。2位だった最新の第5回は、研究開発が確実に収益に貢献するよう管理することと、ある程度の失敗を覚悟の上で挑戦的な研究開発を実行することの両立が可能かどうかというテーマ。失敗事例として取り上げたのが、競合他社にない製品を生み出せずに後追いばかりしている企業のことでしたが、小粒な研究開発はコンスタントに成功しているという、なんとも微妙な事例でした。
この他今回は、3位のVAIOのバッテリーパック加熱、5位の商船三井の船についての中国当局の差し押さえと、ニュースも上位に入りました。「日経ものづくり2014年4月号」に掲載した記事の中では「サムスン緊急構造改革の真意」(6位)がよく読まれたようでした。